10、増えた家族
夏の2月、模範村での研修期間が終わりそれぞれの村へと研修生達が帰る日が来た。
来た時とは逆に、皆んなそれぞれ明るい表情をしていた。
「許すとか許さないとか、自分の気持ちがまだ分からないところあるけど
この村で頑張っている姿を見て、2人を••••風車村での親戚だと、思えるようになったの。
もちろん、本当の親はこの村の2人だけどね!
だから、今度こそ•••負けないでね。」
「僕はまだ風車村に行こうとも、行きたいとも思えないけど、いつか行こうと思えるくらいの村にしてほしい。
僕のもう1つの故郷だから•••」
「友達が、親戚が増えると良いねって言ってくれたから、少し気が楽になったんだ。
僕には4人も親が居る•••
親戚の親の方は、まだ頼りないところあるけど頑張ってやり直してもらいたい。
それでいつの日か、友達も含めて皆んなで遊びに行きたいから。」
そんな中で風車村の人達に向かい合った3人のこの言葉は、全く関係のない人達の涙腺をも決壊させたようだ。
晴れ渡る空の下、3人の気持ちが明るくなって良かった、と思う反面大の大人達が号泣している非日常な姿はややシュールさを醸し出していた。
研修生がそれぞれの村へ向け帰っていくのを、馬車が見えなくなるまで見送った。
「みんな えらかったね。」
本当ならそれほど接しなくても、誰も咎めないどころか気にしないだろうに、3人とも最後の方は積極的に接しに行っていた。
「だって、一歩引いて見てみたら何だか頼りない妹や弟に見えたんだもの。
最初は確かに怖かったけど、絶対に安心できる居場所があるお陰か、ちゃんと見る事ができたの。」
自分の産んだ子供に妹や弟扱いされる大人達って•••
でも、それでも自分達で繋げ直した関係を大切にしてもらいたい。
もちろん、今回のようにきれいにまとまるなんてそうある事でもないのは分かっているけど•••
研修は終わりかもしれないが、風車村にマヌル村、青竹村の立て直しが始まる。
明日は物資を持ってバーガーさんやナールさんが風車村へ行く予定だそうだ。
風車の力を使えば、労力のいる小麦をひく事や水を汲み上げる事も出来るかもしれない。
それ以外にも風車の回る幻想的な風景は、人の心を癒す事だろう。
それに何と言っても生活が安定して、心に余裕が出れば貧しくてもハイエナの誘惑には負けないはず!
全ての人を救うなんて出来ないしする気もない。
だけど、ここで勉強していった人達だけでも意識が変わってそれぞれの幸せを自分で見つけてもらいたい。
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
第11章完結しました。
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