5、準備は計画的に
夏の1月中旬に差しかかる頃、ナールさんとご領主様が伴って数人の男の人と一緒に訪れた。
「バーガーさん、風車建築の事でご協力をして頂く事になった方達をお連れしました。」
何と、どこからかお手伝いの人が来てくれたようだ。
おもてなしする場ではないか!?
「ルンちゃん、おもてなしは大丈夫よ?」
「そうだよ、なんか怖そうなおじさん達だし行かない方が良いよ。」
確かにパッと見、体が大きく口周りには白が混ざってきている髭を蓄え、眉間にシワを寄せた50代位のおじさんは近寄りがたい雰囲気がある。
だが、そんなおじさんに限って実は子供好きとはありがちな事ではないだろうか?
「ようこそ、やまがみ村へー」
あまり近寄るのは止められるので、やや離れた場所から声をかけた。
髭おじさんは、口をムズムズと動かした後やや目元を和らげ手を挙げ応えてくれた。
やっぱり髭おじさんは子供好きだ。
ナールさん宅でご領主様や髭おじさん始め数人の人とバーガーさんや父、風車村の代表としてビートさんが話し合いをした。
夕刻の時間となる頃、おじさん達がナールさん宅より出てきた。
「もうかえるのー?」
最初のやり取りで、遠慮というものがなくなり堂々と話しかけると、髭おじさんはまたしても口をムズムズし
「あぁ、また来る。」
一言そう言って歩き出した。
話し合いをしていた大人達に混ざり見送りをして、大満足のまま
「良いおじさんだねー」
との言葉を出すと、ぎょっとした顔をしたナールさんがいた。
そんなナールさんに気づかず気分良く家へと帰った。
「あの親方は腕は良いけど気難しくて頑固者で有名なんだけど、ルンちゃんにかかると"良いおじさん"になるんだね•••」
「私たちの事も最初から受け入れてくれたし、大人にはないあの真っ直ぐな心は本当に眩しく感じますね。」
ルンが去った後の大人達のそんな会話など知る由もない。
家に帰ってから父に話し合いがどうなったのかを聞いた。
「1度実際の建設場所まで視察する必要があるけど、大体の目処はたったよ。
夏の2月、彼らが研修を終えるのと同時に始める事になりそうだ。」
夏の2月•••暑さ厳しい中での作業になるのか。
「その村までどのくらいかかるの?」
「ナールさんの話だと、ここから大体2日かかるらしい。
距離はそこまで遠くないらしいが、道が整備されていないから時間かかるようだ。」
なるほど。廃れた村と言うなら水や食べ物も不足しているだろう。
誰が行くにしろ、その辺を取り揃えていた方が良いのかも?
そうと決まれば明日から物資の中身や水を持っていく方法を考えなければだ。
「みんなにそうだんしよー」
そうしよう!気合も新たにそう独りごちた。
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