2、いつの間に命名
各々がやるべき事を学ぶべく、色々な場所で研修生が熱心に作業をしていた。
「風車村の人達ちょっと集まって下さい。」
何だ?風車村とは。
ナールさんが呼びかけた聞き覚えのない村の名前に反応して、私も一緒に集まりの輪に混ざってみた。
「ルンちゃんは違うよ?」
ん?良く分からないまま集まって、良く分からないままそっと父のところへと追い払われてしまった。
「マヌル村の人達は集まって下さい。」
今度は何だ?
またしても一緒に輪に混ざると、今度は抱っこで強制的に父の元へと運ばれてしまった。
ここまで来れば何となく分かるが、面白くて思わず反応してしまうのだ。
「青竹村の人達、ルンちゃん以外で集まって下さい。」
何ですと!?強制的でもやんわりでもなく、完全拒否なナールさんに反発心がムクムクと沸き上がった。
「••••ルンちゃん以外って言ったと思うんだけど?」
しっかりと輪には入らずにいるではないか。
「いや、輪に入る入らないじゃなくて、集まる必要もないんだよ?」
青竹村と呼ばれる人達の近くで、ミニチュア版風車を使って遊んで(いる風を装って)いるだけではないか。
今度は何故かダル兄に抱っこで連れて行かれてしまった。
そして、優しく
「ルンちゃんはこの村の子なんだから、他の村の人達が呼ばれた時は一緒に行かなくても良いんだからね?
そもそも他の人が呼ばれてついて行ってーー」
説教を懇々と受けてしまった。
他の村の名を呼ばれて一緒に集まらないから始まり、誘拐に巻き込まれるかもしれないと壮大な内容へと変化していった為、説教が裕に1時間も続いた。
説教が終わり、ゲッソリした身で決意した。同じ悪戯は2度までにしようと。
それにしても風車村にマヌル村、そして青竹村ときたか。
この村よりも断然センスの良い響きではないだろうか?
いつの間に誰が命名したのかも不思議だが、その村人達は何の拒否もなく受け入れる姿も不思議に思ってしまう。
「だれが村のなまえ付けたんだろね?」
ちびっ子達にそんな疑問を投げつけたところ
「「「「ルンちゃんでしょ?」」」」
えっ?私は全くもって名付けた記憶もないのですが!?
やや焦りながら伝えるも
「だって風車はルンが考えたろ?」
「マヌルもルンちゃんの言葉が発端でしょ?」
「竹だって、ルンがそこに目を付けたからだろうし。」
「やっぱりルンちゃんだね!」
4人がテンポ良く言葉を出す度に、こんな事で村の名前が決まってしまい申し訳ない気持ちに•••
だが、そう言えばこの村の名前も、元を正すと私が発端だったような?
いやいやあれは神話おじさんか?
やや現実逃避な事を考えならがそっと、視線を外し
「ことばは しんちょうにはつげんしよう。」
そっと、決意した瞬間だった。
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