2論 語順と俺ルール
俺は日本人だし日本語が好きなんだけど、英語でどうしても許せないことがある。ていうか、たくさんあるんだけど、一番許せないのが「主語と動詞を逆にすると疑問文になる」という俺ルールだ。
これだけでも許せないのに、「最初に動詞を出すと命令文になる」とか「thatとかつけると文章が増殖する」「過去形には不規則な変化をするものがある」とか頭おかしいんじゃないかと思う。この言語を作った奴はどうかしている。
……まあ、言語にはそれぞれ癖とか歴史みたいなものがあるものである。日本語にしたって色々意味不明な俺ルールに満ちあふれているし、中国語にしたってそうだ。男性形女性形がある言語とかもあるしな。
言語というのは、数学的に考えると一種の関数のようなものであると言える。例えば、
1+1=
という関数があったとしよう。答えはもちろん2なんだけど、関数というのはなんかトンネルみたいなものがあって、それを通ると答えが出てくる。プログラミング言語の世界では、一昔前はみんな関数型言語だった。今はオブジェクト指向とかなんかその辺に支配されているけど。
端的に言って、1+1みたいなのは『中置関数』である。関数が真ん中にあるからだ。つまり関数ってのは+のことで、1は単なるデータ、つまりは引数ということになる。
LISPという言語では、
(+ 1 1)
みたいな書き方をする。これも答えは2だけど、これは前に関数を置くので『前置関数』ということになる。
1 1 +
みたいな書き方をする言語もある。これは後に関数があるので、『後置関数』だ。
何でこんな話をしたかというと、言語というのは基本的に、どこに何を置くか決めておかないといけない。そうでないと理解することができないからだ。もちろん、英語みたいに意味不明の俺ルールをごてごて決めるなんてのは論外である。
俺ルール俺ルールっつってるけど、そのようになんか変なルールを決めるときは、『例外』『プロトコル』『プロシージャ』みたいな言い方をするとかっこいいだろう。それ自体を否定する気はない。でもそんなのがいっぱいあるとみんな混乱するし、なるべく例外は少ない方がいいだろう。でも俺ルールという言い方が一番わかりやすいと思うので、このナンバーエスペラントなる俺言語では、最初に次のような俺ルールを決めておく。
0:語順は主語、動詞、目的語、修飾語とする。(SVOC)
1:疑問文や命令文の場合は最初に宣言する。そうでなくてもなんかあれば先に宣言する。
2:単語は数と、その前の記号で決める。$は名詞、&は動詞、%は形容詞。
3:宣言は、?が疑問詞、!は挨拶文。!!は命令文。