1論 イントロダクション
イントロダクションとは何か? ある種哲学的な問いである。
いや、俺はイントロダクションと言えば、なんか「問題提起」みたいな理論的意味でもあると思ってました。が、そんなものはなく、「導入部」とか「前置き」みたいなどうでもいいものらしい。
つまりこのイントロダクションもどうでもいい文章なわけで……。
あ、でもまあ、意味のない文章なんて世の中にはきっと無いはずである。何かしらの複雑性の中に、社会とのつながり的な何かを感じさせるものがあるのでしょう。多分。
本当にどうでもいい前置きはともかく、言語について考えてみよう。言語とは何か?
これもマジで哲学的な問いである。結構悩ましいし、結構重要だ。(イントロダクションのくだりとは違って)
僕は以前、これについて結論を出した。それは、
言語とは、末端のある情報である。
というものだ。
???となった人は正しいかもしれません。まず、情報というのは、世の中にあるすべてのもののことである。問題は、末端のほうなんだけど、
00000011001010010010100
みたいな情報があったとして、意味があるだろうか? 言うまでもなく、情報はそれ自体には意味はない。空があり、風が吹く。雲が流れ、太陽が輝く。それだけだ。
しかし、
01011001、01011100、01010000.
みたいな情報だと、話が変わってくる。いわば、「末端の魔力」である。末端があると、情報は言語、つまりメッセージ足りうるのである。
前出した0と1の情報は2進数、末端が8ビットだと1バイトということになる。コンピュータ的には基本だが、わからん人は適当に調べてほしい。まあ、2進数ではなく、10進数でもいいんだけど。
ところで、世の中にあるすべてのことを数値で表すとすれば、いくらの数字が必要なのだろうか?
んなもん途方もない数だろう、と思うかもしれない。が、英語圏で毎年雑誌とかで使われている単語の数は、10000程度という。日本語圏だと60000程度だ。
日本語圏のほうが6倍なのがなんかすごい気もするが、要するにその程度なのである。つまり、
60000の単語がある言語は、理論上すべてのことを表せる
と言っても、過言ではない。断言できることとして、
自然数無限の数値は世の中のすべての情報を表せる。
という事も言える。明らかだ。無限だし。
現代数学では、自然数無限だけじゃなく、実数とか虚数とかもあるしもっと変なのも色々あるが、端的に言って自然数無限があれば事足りる。負の数もいらない。が、現代の自然言語、つまり英語や日本語を数にあてはめるならば、その複雑性に対応するためには、複素数かベクトルが必要になるかもしれない。要するに、現代のわれわれが使っているこの日本語とか英語みたいな言語は、現実世界よりもずっと複雑怪奇なのだ。
現代の言語には、大きく分けて孤立語、膠着語、屈折語の3種類がある。日本語は膠着語、英語は屈折語だ。端的に言って、孤立語が一番単純で、中国語とかがこれにあたる。語順が固定されていてとてもわかりやすい。
我愛?(ウォーアイニー)(私はあなたを愛する)
($0,&0,$1)(SVO)
左下のが僕の提案するナンバーエスペラントなんだけど、中国語は語順も決まっていてわかりやすい言語と言える。
日本語は厳密には語順は決まっていないが、普通はそんなに変な語順にはしない。
私は あなたを 愛する
Watasi-wa anata-wo ai-suru
($0,$1,&0)(SOV)
日本語には助詞というものがあり、それが名詞に膠着することによって単語足りうる。ゆえに膠着語というわけで、世界にはトルコ語のようにたまにそういう言語もあるので、別に日本語だけというわけではない。孤立語に比べるとやや複雑だが、助詞によって単語の属性が決まるためにわかりやすく、語順も結果的に自由になる。
英語だと
I love you.
($0,&0,$1)(SVO)
なわけだけど、屈折語というのは、要するに単語が屈折することを言う。つまりIがmyになったりmeになったりすることだ。英語はそのように単語が屈折するわけだけど、世の中には一つの単語が複雑怪奇に屈折しまくるような言語もある。アメリカ先住民のナバホ族と言われる人たちはナバホ語という複雑な言語を使っているという。この言語は、第二次世界大戦のときも日本と戦うために使われ、日本側も全然解読できなかったらしい。ちなみに、日本語の薩摩弁もアメリカ側は全然解読できなかったらしい。
構造で言うと、言語というのはベクトルとして表すことができる。つまり、
中国語なら(0,1,2)
日本語や英語なら((0,1),(2,3),(4,5))
のように、ベクトルの次元数を増やしていけば表現はできる。でもめんどくさいし、ややこしいので、そういうことをすべきではないと思う。複素数なら3+4i+5jみたいな感じだけど、もっとややこしい。