第5脱 衣服系異能(?)バトル開始!
けたたましく砂を蹴って進む装甲車の軍団。あっという間に彼女へと近づき、取り囲んでしまった。
「大人しく投降しなさい! そうすれば命だけは助けてやろう!」
拡声器を持った装甲車兵が彼女に降伏を呼びかける。だが先ほどの攻撃で警戒してる彼女は言うことを聞きそうにない。
渋る彼女にしびれを切らして機関銃を向ける。
なに、装甲車を脱がそうとしたって無理に決まってる。手をかけてから絶望するその瞬間をせせら笑ってやる。そう思いながら。
「すっぽん! 鋼鉄破脱!」
ふん。そら見ろビクともしないだろう。そう我が人民の技術力を結集したのだ強化人間如きに壊されてたまるかってええええええええええええええええ!?
彼が気づいたときには、装甲車の外装は剥がされ宙を舞っているところだった。何枚もの鉄板が砂浜にバラバラと落ちてくる。
中の人員をひん剥きながら位置は動かすことなく、一瞬で違和感なく剥ぎ取る。
金属の部品がバラ撒かれた砂浜を、裸になった男たちが泣きながら逃げていった。
「ぐぬううううう~~~……」
悔しそうに拳を握りしめる海軍士官。このままでは国内の感染者の対応で自衛隊が動けない内に占領する計画が破綻してしまう。かといって彼女を無視することもできない。
攻めあぐねていると、後ろから一人の女が近づいてきた。
「むっ……貴様は……」
伝統的なチャイナ服を着て、スラリと伸びた脚を見せる女性に士官は胡散臭そうな目を向ける。
栗色の長髪を軽く振り、端正な顔立ちの女性は見つめ返して口を開いた。
「私なら、奴を無力化できます」
「ならばやって見せろパイ・チンチン」
「パイ・チンチーです」
空気がピリつく。チン……チーと呼ばれた女性は小さく鼻を鳴らすと、下着とスーツを一着分手に持って出ていった。
(こ、これはもしかしなくても戦争ってやつじゃ……)
砂浜の彼女は艦隊に向けて謎のファイティングポーズを取りながらじっと睨んでいた。
気づくのが遅い、と言いたいところだが実際いきなり攻めてこられて何が起きているのか理解出来る人は少ないだろう。
逃げようか戦おうか考えていると、一機のヘリコプターが発艦し向かってくるのが見えた。
「わっ……!」
黒い機体が上空を通り過ぎ、爆風が彼女を襲う。
髪が大きくたなびき、Eカップがポヨンと揺れ、ついに局部を隠していた葉っぱが……今、ついに剥がれてピンク色の頂点が……ようやく吹き飛ばされ……あの。
なんでビクともしないんだ! 見せろ! 今頃健全とか誰も求めてないんだよ!
半重力装置でもついているのかと疑いたくなるほど強く付いてる葉っぱ以外は揺れたり吹き飛ばされたりと大忙しな砂浜だが、そこへ空から美女が降ってきたものだから大騒ぎだ。
裸の彼女は軽々しく着地したチャイナ服の女に目を向ける。まさに美女と呼ぶにふさわしい出で立ち、そして服を着ている。
(美女……服……これは脱がさなきゃ!)
謎の使命感に駆られた葉っぱ一枚いや三枚の少女は決まったように「すっぽん!」と叫んで美女のチャイナ服に手をかける。
しかし、次の瞬間力を返された。
パアン! と音がして彼女は吹っ飛び、砂浜に落ちる。
驚く彼女。そして強烈な違和感。
胸を見ると、そこにはピンク色の可愛らしいブラジャーが。
「うっ……あ……ああっ!」
何の変哲もないブラジャーだが、すっぽんぽん菌に犯されている彼女にとっては掻きむしりたくなるほどの違和感を発している。
苦しさから喘ぐ。本能に任せて手を動かすが、その無防備な瞬間を狙われてしまう。
消える美女。巻き上がる砂塵。吹き飛ぶ裸の彼女。
上空に跳ね上げられた身体には、上とお揃いのパンティーが履かされていた。




