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第1脱 生物兵器

 20XX年、日本は混乱の極みにあった。


 ありとあらゆる場所で一部の人がいきなり服を脱ぎ出し、すっぽんぽんになって周りの人を襲い始めたのだ。

 ビルの谷間、電車の中、会社、学校……安全地帯は存在しなかった。


 襲われた人は服を脱がされ、一糸まとわぬ姿にされてしまう。


 当然恥ずかしがる(まあ中には喜ぶ者もいたが)のだが、その恥が振り切れると「周りが全員脱いでいれば恥ずかしくない」と勘違いし人を襲い始める。


 この混乱の原因はすぐに特定され、一定の「恥ずかしい」という脳波に反応する菌の仕業であるとされた。


 しかしそれがわかった所でどうしようもない。感染者は服を脱がす以外は無害なので無闇に発砲することができず、かといって警察や自衛隊のバリケードだけでは防ぎきれない程の数になっていた。


 政治活動も経済活動も、日本の全てが停止。各所でゾンビ的に数を増やす感染者に有効な策を打てないまま、非感染者に対する包囲網は狭められていった……。





 一方、この窮地を読んでいたかのように大国が動く。

 世界連合も、アメリカも、NATO(北大西洋条約機構軍)も動けないうちに決着をつけようと無数の船団が日本海を横断し始めた……。

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