20話 アリスとデート2!
俺とアリスは武具屋が立ち並ぶ通りに来ている。今日は二人でデートだ。
前も一回デートしたが、その時は途中で台無しになっちゃったんだよな。たしかあれはアリスと防具屋に行こうとした時だったな。今回はそのリベンジというわけだ。
アリスは俺の後を付いてきている。もちろん四つん這いではなくて、普通に立って歩いている。
まあ俺の町だし、四つん這いでも文句をいう奴はいないんだけどさ。やっぱりそれじゃデートにならないしね。逆にアリスの方から文句とか言ってきそうなもんなんだが、思ったより素直なんだよね。
それに以前も俺がルカに襲われたときや、天使が攻めてきたときに協力的だったしさ。なんでだろう。聞いてみようかな。
「武器、見てもいいですか?」
俺がアリスに訊ねようとした時に、アリスは一軒の武器屋を指差していた。まあ、あとで聞けばいいか。
アリスは大剣を所持している。新しい武器を買う気はなさそうだけど、見て回るだけでもいいだろう。
欲しい武器があったらいくらでも買ってあげるし。なんなら俺が創生スキルで作ってもいい。
アリスに洗脳をかけたりはしていないが、武器を持たせても裏切ることはないと思う。それは今までの付き合いから、ほぼ確信に近い。
俺とアリスは武器屋の中に入った。
「い、いらっしゃいませ。ソウル様、アリス様」
頭がハゲた店主が出迎えてくれる。この町の住人は、俺の名前はもちろんのこと、アリスやルカたちの名前もちゃんと把握している。
前にニャルのことを、獣人だからと言って差別していた奴らを殺した時からかな。俺の物に下手なことしたら、ひどい目に遭うということを、領民たちは理解しているようだ。
さて、俺は別に武器には興味がないわけだが。アリスはどういうのを見たいんだろうな。
「別にこれといって。武器屋の雰囲気が気に入っているんです」
あ、そうなんだ。店の人的には冷やかしに思われるだろうけど、文句は言わせない。どうせだから俺もちょっと見てみるか。
店に飾られていたのは、短剣や長剣、槍といったごくごく一般的な武器ばかりだ。見て数分で興味を失くしてしまった。
だがアリスはというと、店内をどれだけ物色しても飽きる様子がない。本当に好きなんだな。女の子らしい趣味とは言えないかもしれないが、夢中になっているアリスの顔は実に楽しそうだ。
俺はさっきから気になっていたことをアリスに聞いてみた。俺と一緒にいて嫌じゃないのかどうかを。
「今は、す、好きです」
……意外や意外。結構アリスで好き放題に遊んでいたと思うんだけどな。
「あ、案外大事にしてくれてるところとかが、ですかね。って、別にいいじゃないですかそんなこと!」
アリスは気恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、会話を終わらそうとする。それならいいんだけどさ。
ただちょっと他人行儀だよね。別に、気軽にソウルって呼んでくれていいんだぜ。
「ソ、ソウル」
少しどもりながら言うアリスが可愛くてしょうがない。なんか甘酸っぱいな。
「も、もう! 次のお店に行きましょう!」
そう言ってアリスは武器屋を出て行った。俺もその後を追う。
■□■□■
アリスは外に出た後、またも気になる店を発見したのか、俺の手を引いて入っていく。今度は防具屋か。
そういえば前にルカと出会った街でも、アリスは防具屋に行きたがっていた。あの時は駄目になっちゃったけど、ちゃんと連れてこれて良かった。
店主があいさつをしてくるが、セールストークをしてくるわけでもない。前にサリーと行った婦人服の店では、おすすめの品を紹介してくれたんだけどな。
っと、いかんいかん。今までの服屋に対して少し悪感情を抱いているせいか、防具屋に関してもちょっと神経質になってきているみたいだ。
店内を見渡すと、盾や籠手、特殊効果のありそうなネックレスなどのアクセサリー類がある。店の奥には金属鎧があるみたいだな。アリスは動きやすい皮の鎧を装備しているから、ああいうのはいらないかもしれないけど、一度着ている姿を見てみたい。
「申し訳ありませんソウル様。あれらの鎧は特注品でして。ご入用でしたら、ご依頼していただきませんと何とも」
出たな。既製品が売られていないという最大の欠点。まあ、服と違って鎧はしょうがないかな。見逃してやろう。
でもそうなると残念だな。見た感じ、あの鎧は大きすぎてアリスに合わなそうだ。
なんかないのかな。こう、ビキニアーマーみたいなのって。俺は概要を店主に伝えて、ダメ元で聞いてみたのだが。
「それでしたら一着ございます。体格的にも、アリス様にぴったりでしょうな」
いや、あるんかーい。この店主やりおるな。この店の評価が、俺の中でぐいんと上がった。
「以前、お客さんからの要望で、女性用の動きやすい金属鎧を作製しましてね。気に入らなかったのか、一目見ただけで返品されてしまいましたが」
そうして取り出してきたのは、ビキニの水着を思わせる、赤を基調とした鎧だった。鎧だったというか、おそらく鎧だろうが正しいかもしれない。
それを見たアリスは、顔を手で覆って耳たぶまで赤くなっている。当然着てもらうぞ。
「む、無理よ。なんでそんな恥ずかしい鎧を着けなくちゃいけないのよ」
俺の前では、いつももっと恥ずかしい格好してるだろうが。さて、今日はくっころプレイと行こうか。
俺はビキニアーマーを購入して、アリスとともに屋敷へと帰った。




