私が語る、蒸気機関車の魅力
諸君、私は蒸気機関車が好きだ。萩野古参機関士シリーズの原動力である。
そんな私が蒸気機関車の魅力を伝えようという企画である。
蒸気機関車の第一の魅力、それは煤けた、くたびれた力。そう、力そのものである。ピストンから繋がるロッドが動輪に力を与える様を外から見られる。それが素敵に感じられる。
私は、小学生の頃は虚弱な少年であった。そんな私に足りないもの、それが力だった。蒸気機関車はまさにその化身であるように見えたのだ。煙を吐きつつ走る黒光りする機関車。それが良かったのだ。
第二の魅力は音である。そのドラフトや空気圧縮機、給水ポンプや油圧ポンプ、その独特の音が私を突き動かす。
蒸気機関車の音は生物に近い。心臓の音や息にちかい。なんであるか、それは使い古された表現であるが『黒鉄の馬』という表現がふさわしい。
第三の魅力は実は凄まじく効率が悪いと言うことである。
実のところ蒸気機関車の熱効率は十%以下である。そこが私共空回りする人間にそっくりだ。だから、親近感が沸くのだ。
蒸気機関車の魅力、それは結局私一人で語り尽くせるものではない。何故か。それは一人一人感じ方が異なるからである。ピカピカに磨かれた砲金の汽笛安全弁、銅管などに魅力を感じる人もあるだろうし、あれだけ複雑な機械に見えて、一切の無駄がないというところに魅力を感じる人もあるだろう。
だが、私はその一端を伝えたくて私はこの文章を書くのである。
煙突から石炭ガラが出るとかそんな話もありますが、その場合、機関助士がアーチの上に石炭を投げ込んで居るとか、反射板の調定が甘いか、火の粉止め網が外されているのです。質の悪い常磐炭辺りだと火の粉止めは目詰まりするから外してしまうんですがね。