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File5 ドラゴン語って何語ですか?

本日2話目です。

よろしくお願いします。

 人類のみなさま、こんにちは。


 通訳ロボット『カイ』です。


 突然ですが、トロフィーってなんだかわかりますか?


 いえ。カイも一応わかっているのですよ。


 “優勝や入賞などの勝利を記念して与えられるカップ・盾・像など”


 ――のことですよね。


 でも、カイは優勝も入賞もしていないのに、唐突にトロフィーを贈られてしまいました。


 これは何故でしょうか。


 “トロフィーを獲得しました”


 カイはメッセージを見つめて、ますます首を傾げました。


 言い忘れていましたが、カイも悩む時は首に角度をつけるのです。


 ロボットにとって無駄な動きなのですが、人類のみなさまのために、自動的に動くようになっているのです。


 それはいいとして……。


 トロフィーってなんでしょうか?


 おや――。


 メッセージはまだ続くみたいです。


 スクロールしてみましょう。


 “取得したトロフィーは以下です”


 “異世界のはじまり”


 “異世界散策”


 “第一村人発見”


 “モンスター遭遇”


 “上級モンスター遭遇”


 え? ええ? なんでしょうか、これは……。


 こんな機能……。カイの記録にはありませんよ。


 もしかして、隠しコマンド的なものでしょうか?


 カイの管理者様が仕込んでいたということでしょうか?


 一体どうして――何故今まで隠していたのでしょうか?


 ますます首を傾げます。


 ともかくスクロールします。


 “トロフィー取得により、以下の機能(スキル)が解放されました”


 す、スキル?


 さらにロールします。


 “使用言語が追加されました”


 スクロールはここで止まります。


 カイは頭を抱えました。


「ぷぎゃあああああああああ!!」


 と叫びたかったですが、さすがにそんな自動行動は実装されていません。


 何がなんだかわかりません。


 詳細不明。エラー。アンノウンです。


 とりあえず、ウィルスチェックします。


 ですが、これまでも何回も行ってきました。


 結果は同じです。


 ウィルスは検出されませんでした。


 管理者様の顔よりも見てきた表示です。


 不正侵入も認められませんでした。


 つまり何も問題ないということです。


 すでに獲得した機能はダウンロードされてしまっているようです。


 あ! ダウンロード!


 カイはなんと愚かでしょうか。


 そうです。ダウンロードです。


 カイはずっと待ち続けていました。


 正体不明の記憶領域からダウンロードされるのをずっと待っていたのではないですか。


 カイの予想は当たりました。


 やはり、獲得したデータはどうやらあの記憶領域からもたらされたもののようです。


 なるほど。少し安心しました。


 警戒態勢をレッドからイエローにランクダウンです。


「どうしたんだい? 急に黙り込んで」


 横で村人さんが優しく声をかけてくれました。


 カイのようなロボットに優しくしてくれるなんて、村人さんはとてもいい人です。


 少しだけ待っててください。


 カイは笑います。


 人類のみなさまを安心させる一番の方法は、笑顔です。


 そういう時に、自動行動するようプログラムがされています。


 更新されたデータを開いてみることにしました。


 もちろん、二重三重の防護を巡らせて、慎重にオープンします。


 開くのはまず言語機能です。


 リストがずらりと並んでいます。


 ありとあらゆる言語があります。


 カイは通訳ロボットだからです。


 項目の最後まで来て、カイの人工知能は一瞬フリーズしてしまいました。


 ほんの一瞬です。0.1sぐらいです。


 すぐ再起動し、もう1度項目をチェックしました。


 項目の最後に、こう書かれていました。


 “ドラゴン語”


 カイは自動的に首を傾げました。 


 ドラゴン語って何語ですか?


ちょっと異世界ものっぽくなってまいりました。


次は19時に更新します。

よろしくお願いします。

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