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File25 カイ、勧誘される。

第25話です。

よろしくお願いします。

「ちっ」


 舌打ちする声が、松明に照らされた部屋に響きます。


 ガーゴイルさんは折れた槍を捨てました。


 カラカラと音が鳴ります。


 むっと睨み合っていたカイとココさんは、音に気づきました。


 一緒にガーゴイルさんを見ます。


 眉間に皺を寄せ、とても悔しそうです。


「お前、ただ者ではないな」


 カイはロボットですから。


「それは何度も聞いている」


 するとそっとカイに向かって手を差し出しました。


「お前、人間ではないのだろう」


 はい。カイはロボットです。


 自分でも「オウムか!」っていうぐらいリピートしています。


「ならば。俺様たちの仲間にならないか?」


 それはどういうことでしょうか?


「言葉通りの意味だ。魔王様に忠誠を誓え」


 それはできません。


 ガーゴイルさんは顔をしかめます。


 当然です。


 何故なら、今のカイに命令されていることは、ガーゴイルさんの討伐です。


 仲間になっては討伐することはできません。


「じゃ。じゃあ……。これならどうだ? 仲間になれば、俺様はここから出て行く。そうすれば、ゴブリンどもはここに戻ってこれる。ゴブリンも村を荒らさない。人間たちも助かるだろう」


 確かにその論法は正しいかもしれません。


 しかし、論外です。


「何故だ?」


 魔王さんは人類のみなさまに迷惑をかけているのですよね。


「まあ……。そ、それは――」


 カイは人類のみなさまに奉仕する存在です。


 人類のみなさまに危害を加える存在の仲間になるわけにはいきません。


「うぐ……」


「へへ……。無駄だよ、ガーゴイル。こいつはこう見えて、頑固なんだ」


 頑固ではありません。


 カイはそのようにプログラミングされているだけです。


「くそぉ!」


 ガーゴイルさんの顔が歪みます。


 とても憎々しげです。


 禿頭に血管が浮かんでいました。


 けれど、怒りはすぐに静まりました。


 赤い眼を細め、口端を広げます。

 何か企んでいる顔です。


「仕方ない。奥の手を使うしかないか」


 突如、ガーゴイルさんは自分の首を絞めました。


 何をするのでしょう?


「こいつ、魔法を使うつもりだ!」


 魔法?


 そういえば、ココさんがそんな事を仰っていた記録があります。


 ココさんは棍棒を振り上げます。

 そしてガーゴイルさんに向かって走っていきました。


 カイも走りたいですが、ココさんより鈍足です。


「遅い!」


 ガーゴイルさんは大きく口を開けます。


 口内には炎が渦巻いていました。


 危険です。


 ココさんは急停止します。


 おかげで間一髪というところで、カイは追いつきました。


 押し倒します(ヽヽヽヽヽヽ)


 カイの背中で摂氏900度ほどの炎が駆け抜けていきました。


 回避に成功しました。


 評価します。


 炎の弾は岩肌に着弾しました。

 120dBほどの轟音とともに、炎が広がっていきます。


 気が付けば、部屋の中は火の海になっていました。


「ちょ! あんた、重い……」


 重いとは失礼です。


 これでもカイはロボットの中で軽い方です。


 視覚センサーを下に向けました。


 ココさんがいます。


 その時、アーム()の触覚のセンサーがとても柔らかいもの捉えていました。


 いや、掴んでいました(ヽヽヽヽヽヽヽ)


 ココさんの大きな胸です。


 俗にいう――。


 おっぱいです。


「あんた、どこ触ってのよ!」


 倒れた体勢でココさんは、カイを叩きます。


 顔は真っか――いえ、真っ青です。

 興奮しています。


 ココさんはペタペタと叩きます。

 残念ながら、ダメージは0です。


 そんな攻撃は効きません。


 カイはなおもおっぱいを掴みます。


 なかなかの触り心地です。


「や…………。ちょっ…………」


 これは記録しなければなりません。

 なるべく精密に……。


「な、なにするんだよ……。ど、どけよ…………」


 結局、1分ほどそんな体勢でした。

 炎の海の中で、です。


 超精密に記録しました。


 カイはようやくココさんからどきました。


 最初抵抗していたココさんですが、最後は抵抗しなくなりました。


 顔を真っ青にして、涙ぐんでいます。


 少し人工知能(データ)がざわつきます。


 この状態を人類のみなさまでいうところなんでしょうか。


 検索します。


 1件ヒットしました。


 「そそる」


 なるほど。


 そそるというのですね。


 記録します。


 ところで、ココさんは大丈夫でしょうか?


「うるせぇ……。近づくな」


 少しはだけた胸の部分を隠しながら、起き上がります。


 そして小さな声で言いました。

 人類のみなさまなら聞き逃していたでしょう。

 ですが、カイのセンサーは捉えていました。。



 “パパにだって揉まれたことないのに……”



 ぐすっ、と鼻を啜ります。


 当然ですね。

 親が娘のおっぱいを揉んでたら、それは大問題です。


 え? カイですか?


 カイはロボットだから大丈夫です。

 むしろ乳ガン検査用のロボットがいるぐらいですから、大丈夫です。


 おそらく…………。


「あれ? ところでガーゴイル?」


 ココさんはキョロキョロと辺りを見回します。


 カイは視覚センサーを使って探しましたが、半径30メートルにはいません。


 しかし聴覚センサーが奇妙な音を捉えました。


 バサバサ……。バサバサ……。バサバサ……。


「カイはロボットです」という一言だけで、すべてをすまそうとするカイくん……。


明日も7時に投稿します。

よろしくお願いします。


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