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File16 カイ、冒険の旅に出る!

第16話です。

よろしくお願いします。

 人類のみなさま、こんにちは。


 通訳ロボット『カイ』です。


 カイはこのたび、村のみなさまのためにゴブリンさんを倒すことに決めました。


 はい。これは決定事項です。


 ドラゴンさんのお産はチュートリアル。

 ここからカイの冒険の始まりです。


 ところが、村のみなさまは首を傾げていらっしゃいます。


 どういうことでしょうか?


「あんたの気持ちは嬉しいけどね。ゴブリンっていっても、モンスターなんだよ」


「そうだよ。カイくん、1人いても……」


 大丈夫です。


 1体で十分です。


 カイはロボットです。


 戦闘用ロボットではありませんが、耐熱耐水耐圧性能はそこそこあります。


 しかし、カイの説得にもなかなか応じてくれません。


 ますますみなさま、難しい顔をなさいます。


「せめて……。誰か若いもんでもおればいいんじゃが」


 村長さんも腕を組んで、困り果てた顔で俯きます。


 そう言えば、今気付いたのですが、お若い男の方がいないような気がします。


 女性と、あとご老人ばかりです。

 若い男の人は1人もいません。


 どうしたのでしょうか?


「実はね。若い男たちはみんな戦場に行ってるんだよ」


 戦場? それはいくさば(ヽヽヽヽ)ということでしょうか?


 なんと人類のみなさまは戦争をしてらっしゃるのですか?


 戦争はいけません。

 悲しいことばかりがおきます。


 戦わないことが一番ハッピーです。


 確かにカイの前身は戦闘用ロボットでした。


 戦争によってAIは発展し、カイが生まれたといっても過言ではありません。


 皮肉にも、科学は戦争によって発展してきたことは認めます。

 しかし、それはあまりにも大きな代償を生みます。


 人と人が話し合い、手を携えれば、戦争なんかしなくても、きっとより良い未来が――。


「なんだ、あんた知らないのかい? 今、王国は魔王軍と戦っているんだよ」


 魔王軍? 魔王ってなんですか?


 検索します。


 複数ヒットしました。


 魔王[マオウ](Der Erlkonig)

  1782年にゲーテが、デンマークの民間パラード『魔王の娘』に基づいて書  いた詩に作曲した歌曲。


 ????


 歌なのです?


 歌いながら戦うんですか?


 戦場で「オレの歌をきけぇ!」とか叫ぶのでしょうか?


「違うよ。何をボケてるんだい、あんたは! 魔王ってのはモンスターの親玉だよ。ここの若い連中は魔王軍と戦うために、兵にかり出されちゃったんだよ」


 ああ。なるほど。モンスターと戦う――――。


 ええ! そんなことになっているんですか、異世界は!


 どうしましょうか。


 確かに異世界といえば、モンスターというぐらい、セットになるものです。

 が、まさか人類のみなさまとモンスターが、軍を挙げて戦っているとは予測していませんでした。


 なかなかシリアスな展開ですね。


 カイは動くのが遅いので、のんびりと冒険しようと思っていました。


 ですが、どうもそうもいってられない状況です。


「そのゴブリンたちも戦場から流れてきたんじゃろう。困ったヤツらじゃい」


 村長さんは杖に寄りかかりながら、がっくりと項垂れました。


 大丈夫です。村長さん。


 カイなら1人でもゴブリンさんをやっつけることが出来ます。


「やめときな。怪我するよ、あんた」


「しかし、このお嬢ちゃん、ドラゴンの腹をブッ叩いてた時、すごい力だったぞ」


 あるおじいさんが言いました。


 ちなみにカイはロボットです。


 お嬢ちゃんではありません。


「おお……。確かに」

「わしらが束になって叩いてもダメだったのに」

「お嬢ちゃん、1人で10人分の力があるってことだ」

「なるほど」


 途端、村のみなさまは口々に話し合いました。


 カイを行かせていい、という人もいました。

 カイに行かせたくない、という人もいました。


 だいたい半々ぐらいです。


 一際大きな声でいったのは、助産師さんでした。


「ダメだよ。この子はよその子だよ。村の問題は私たちで解決するのが筋ってもんだ」


 とみなさまを説得します。


 大丈夫ですよ。助産師さん。


 カイはロボットです。


 人類のみなさまを平等にご奉仕するのが、カイの役目です。


「しかしねぇ……。あんた」


 次第にみなさまの目が一点に集中します。


 目をつむり、みなさまの意見をじっと聞いていた村長さんにです。


 しんと静まりました。


 風の音と獣の声しか聞こえません。


 村長さんは目を開けます。


「カイくん、自信はあるのかね」


 自信というものは、カイにはありません。


 そうはっきり言うと、みなさまはざわつきました。


 ですが――。


 任務成功率は89%といったところです。


 おお……!


 みなさまは、またざわめきます。


「1つだけ条件がある」


 はい。なんでしょうか?


「無理はしないことじゃ。必ずこの村に戻ってくること。それが出来ないと判断した場合も速やかに戻ってくること……。いいかな?」


「村長!」


「危なくなったら、何もせずに帰ってこいといっているんじゃ。この子なら、その意味はわかるじゃろ」


 はい。わかります。


 カイは決して人類のみなさまとの約束オーダーを破棄したりしません。


「よろしい……。では、頼もうかの」


「カイ。絶対に無理するんじゃないよ?」


 理解しました。


 今の約束を記録します。


 その時、人工知能にメッセージが表示されました。


 “新しいクエストが追加されました”


 カイはスクロールします。


 『ゴブリン退治』

 [内容]

  村を困らせているはぐれゴブリンをやっつけよう。

 [報酬]

  0G

  新しいスキルが追加されます。


 なるほど。こういうメッセージもあるのですね。


 この他に、もう1つクエストが追加されます。


 記録しました。


 お金にはあまり興味がないですが、報酬の新しいスキルとはなんでしょうか?


 新しいものには興味があります。


 ゴブリンを倒して是非とも手に入れましょう。


 こうしてカイは冒険に出ることになりました。


極力カイの話し方に「思う」とか「覚える」などの部分を排除しているのですが、

なかなかなくならない……。


自分がどれだけボキャブラリーがないのか、痛感させられるm(_ _)m


明日も12時に1本投稿します。


※ 本日『異世界の「魔法使い」は底辺職だけど、オレの魔力は最強説』を更新しました。

  → http://ncode.syosetu.com/n0008dc/

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