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今度こそ喰われたと思ったけど生きてます。
なんか顔とか頭をめっちゃペロペロされてます。ザラザラの舌が地味に痛いです。
しばらくペロペロされるがままでいると、ふと立ち上がり、洞窟の奥の方に消えていく豹、暫して聞こえてくる、グチャ、バキッ、ニチャ、という明らかに何か喰ってる音、マジでションベンちびりそう。
やっぱり非常食?新鮮に保つために生かしておくって事か?なんて残酷なヤツだ!せめて童貞卒業してから死にたかったなぁ。
考え事をしてると戻ってくる豹、口の周りが赤くて恐怖しか感じません。
目の前に座り、口の中のモノを俺の足元に落とす。ドサッと落ちてくるヨダレ塗れのナニカの肉、グルルルと唸る豹、え?なんすかこれ?食べろって?いやいやムリってゆーか、まっさかねー?コレ食べるとか難易度MAXでしょ?違うよね?キミのオヤツだよね?
ところが鼻先でこちらに肉を寄せてくる豹さん。
マジっすか?
とりあえず手に持ってみる、何肉?グチャグチャですけど?生臭いですけど?ほんのりあったかいんですけどおぉぉぉぉぉ!!!!
もう一度豹を見る、ジッとこちらを見つめる豹、生肉見る、豹見る、ジッとこちらを見つめている。きっと、俺は、これを食べなきゃ、死ぬ。
意を決してかぶり付く!熱処理とか食中毒とか色々頭を過ぎったが関係ねぇ!多分食べなきゃ俺がコイツに喰べられる!
すぐに口の中に広がる血生臭い鉄の味、思ったよりも柔らかい肉の感触、喉元にくる嗚咽、でも、吐き出しちゃダメだ、吐いたら何されるか分からん、つーかこれ食べるのも正解かも分からん、やべ涙出てきた、でも食べなきゃ死ぬかも、食べなきゃ食べなきゃ食べなきゃ食べなきゃ食べなきゃ…
なんとか吐き気を堪えて食べ終わる、ゆっくり豹を見ると、満足したようにこちらを見つめると、また奥へと消える。
ど、どうやら正解を引いたみたいだ。
するとグチャ、ニチャ、バキッと何か聞き覚えのある似たような音。
…あっれぇ?いっやーな予感しかしないんですけどー?
すると戻ってくる豹、肉落とす豹、涙目の俺、首を振る俺、肉を近付ける豹、首を振る俺、唸る豹、すぐに肉食べる俺!奥消える豹、安心する俺、さっきの肉食べる音、戻ってくる豹!首を振る俺!エンドレス!!
三回くらい繰り返し満足したのか俺の側で横になり自分の体をペロペロと毛繕いし始める豹さん、マジ腹の中生肉でいっぱいで吐きそうなんですが…あれか?コイツ俺を太らせて美味しく頂く気か?
しばらく様子を眺めてるとふと気付く、何やら豹の反対側も執拗にペロペロしてる、なんか位置的に自分の体じゃないっぽいな、なんだろ?
何故か俺はそれが気になり、立ち上がり反対側を覗き込もうと歩きだす。コイツに喰われるかも、とは、その時はあんまり考えなかった。
生肉を食べたから気が大きくなったのか、それとも死にそうな目にずっと晒されて感覚が麻痺したのか、はたまたただ死ぬときゃ死ぬ!と単に開き直っただけなのか。
よく分からないが、とにかく反対側に回って何をしているか覗いてみる。
そこに見えたのは、ちょうど俺くらいの大きさの子豹に、一生懸命毛繕いをする豹の姿だった。