まだ誰にも勘違いされてない時のたわいのない話 (訂正版)
わたるさぁ~…モテるんだからいい加減に、彼女つくりなよ」 僕こと青島渉は、意味の分からない質問を投げかけてきた幼馴染こと橘咲と放課後の教室でたわいのない話をしていたのだがしかしなんで咲はいきなりそんな質問をしてきたんだ…。
何故に?なんで急いきなりそんな話題に?まだ話したいことがあるのだが、今はこの厄介な話題を無くすことを優先しよう。 「モテるわけないだろ、僕なんて」 「なに言ってるのモテてるじゃないバレンタインチョコもいっぱい貰ってさ」 このように咲は、時々僕に質問を投げかけてくる。 しかしながら僕は、さっきも言ったようにモテていない…。いやでもバレンタインのとき義理チョコとしてもらったことは、否定できないけど。 「あれは、義理で貰っただけだからモテてるとは言わない」 「それは、あんたが鈍感だから気ずかないだけで本命だよ。絶対」 「僕は、鈍感じゃない」 「じゃあなんで!モテるのは事実なのに彼女をつくらないのはおかしいよ!ホモなの!」 咲が次第に変なテンションになったので、僕はこう言った。 「いい加減にして、正直迷惑だよ」 僕が本当に迷惑そうな顔をすると、咲はしゅんとして大人しくなった。 咲は、性格のわりに繊細である。 「でもなんで…なんで彼女つくらないの?って…」 「なぁ…なんかごめんな?元気だせよ」 「 ……うん…」 「で、彼女がなんだって」 「だからね、わたるは女子様方からのアプローチも幾度となくあるでしょ?いや、あるに決まってる。っていうかある!」
「…はぁ?」
「なのにっ!なぜにわたるは彼女を作らないんだ?と」 またさっきの変なテンションを蘇生させる咲。まぁ慣れたからもう良いか…。
「なんでって…好きでもない女の子と付き合えってか?」
「そうだよ!!」
「はぁっ!?今のは咲、『まぁ…そういうわけじゃねーけどさー…』ってなるとこだろうがよ!」
「なんないよ!!だってそう言って今まで一度も付き合ったことないし、誰かのこと好きになろうともしてないじゃん!!」
「うっ……」
なんと…咲に言い負かされてしまった…。
そうなんです…。僕は高校2年生にして、未だに初恋を守り続けている、超エリートチェリーボーイなのだ。勿論童貞だ。って…そんな話はどうでもいいんだよ…。
しかしそれには理由は色々とある。あぁ、『それ』っていうのは童貞の話じゃないぜ?初恋を守り続けてるって方の話な?
で、まず一つに、『めんどくさい』
これが多分一番でかい。
というのも、周りの付き合ってるやつら、そいつらを見てると、夫婦でもないのにやけに相手の友好関係に口うるさいやつとか、相手にケータイ見せろとか言ってるやつがいる。
そんなめんどいことしてまで、俺は誰かと付き合いたいとはおもわないね。
別に良いだろ?彼女いるけど女友達もいる、これは当たり前だ。
なのに、その女友達とメールでもしようなら、何の話だとか、自分にも見せろだとか、最終的には、まさか浮気!?とかいう話にまでなる。
さて、こんなことして何が楽しいのでしょうか?恋人一人の為に、自分の行動範囲とか、交友関係が狭まることに、なにかメリットがあるか?
答えはNOだ。世間様の意見は知らん。ただ、僕がNOと言えば僕の中ではNOだけが答え。NOだけが正義だ。イッツ・ジャスティース。
「っと、いうわけだ」
「またそれだよ、絶対に損するよ」
「けっこーでーす。損かどうかは俺が決めまーす」
「あっそう……後悔してもしらないからね、わたる」 続く