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月の夜には
月の満ちていく夜に
あなたの香りを思い出します
柔く回された腕のあたたかみと
引き寄せられた力強さは相反するのに美しい
その中でただ微睡めたなら 私はしあわせです
月の輝く夜には
あなたの面影を思い出します。
他の誰よりも貴き輝きを放つかんばせ
宝珠にも似た輝きの眼に宿る、意思の光
あなたの微笑みに幾度私は 救われたでしょうか
月がまどろむ黄昏には
あなたとの思い出を噛み締めましょう
吸い込まれそうな満天の夜の箱庭
隣に在れるしあわせな時間をただ ただ愛おしく
あなたを想うこの身は星となりても
花束を送りつづけるでしょう この身に余る愛を受けて
ふらり、と思い浮かぶがままに。
指を走らせました。