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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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異世界ミリタリー~皆殺しのフランソワ

作者: 山田 勝
掲載日:2026/02/22

「タケシ!前に行くな!危険だ!」



 俺は草津健、見ての通り転移者だ。現代武器を召喚出来る。

 今、手にしているのは20式小銃だ。最新の自衛隊の銃だ。

 装備も88式鉄帽に迷彩服、体にはサスペンダーをつけている。


 前傾姿勢で銃を構えパーティーの前を前進する。

 出てきたら、一発必中よ。


「おい、銃使い!危険だ。敵も銃使いだ!」

「え、何?」


 バン!


 え、敵も銃使い?何それ。転移者は俺だけじゃないのか・・・ウッ。


 右足の太ももが振動と共に熱くなった。

 目の前には地面がある。倒れたのか?



「やばい。クグツ団だ!煙幕だ!逃げろ!」


「ちょっと、置いていかないで、治療を!」


 何の躊躇もなく置いて行かれた。

 カサカサと音がする。え、何、あれ、精霊。


 全身草や小枝を巻き付けた兵が数人出てきた。ギリースーツか?日本人?


 バンと銃を蹴り飛ばされて、背中に乗られた。

 もう1人は俺の前で銃を構えている。


「おい、日本人だな!助けろよ!」


 先頭の華奢な奴がゴーグルを外した。


「え、現地人?」


「フウ、また、サバゲ崩れか・・・」


 全身をまるでなまはげみたいに草木で覆っているが、迷彩服を着ている。

 目はブラウン、髪は赤茶髪だ。理解が追いつかない。

 奴らは俺を無視して会話を続ける。


「リーダー、こいつ気配丸見えだったよ。あたしがみつけたんだ」

「いいや、足音とカチャカチャ音を捕らえたのは俺だね。」


「フフフ、ミシリー、耳、発見の報告は同時だったわ。喧嘩しない。ミシリーの感知と耳、両方頼りにしているよ」


 耳と呼ばれる大きな耳の男と、草木を巻き付けたローブを羽織った女がいた。女は魔法杖を持っている。感知?対人レーダーか?


「ちょっと、説明を!い、イタい!イタい!」


 急に痛みが襲ってきた。


「リーダー、どうしますか?うるさいですよ」

「そうね。痛み止めのポーションをかけてあげなさい」

「じゃあ、武器庫馬車に連れて行きます」


 連れて行かれたのは馬車だ。


「入れ」

「捕虜?捕虜として扱ってくれ!」

「あ、君の名は今日から三番だ」


 中に人がいる。いたのは・・・


「日本人?」

 俺と同じ現代武器を召喚出来る能力持ちだ。見てすぐに分かった。汚れた迷彩服を着ている。

「何歳?」

「・・・17歳」

「うそ、俺とタメかよ。どうなるのだよ」


「武器を・・・召喚したら、飯もらえる・・たまに日光浴をしてくれる・・・」


「何故!」

「・・・・・」


 それから、焦燥しきって話しかけても返してくれない。

 いったいどうなっているのだよ!


 まさか、武器庫馬車って、武器を出すのは俺か?!

 もう、俺の冒険はおしまいかよ!



 ・・・・この女神が統治する世界でも度々転移者、転生者が現れる。

 その中で現代武器を召喚出来る者も含まれていた。

 この世界の者にとって銃は既知であった。


「リーダー、武器源、補充できて良かったですね」

「そうね・・・・次はもうちょっと長持ちさせないとね」



 私はジーン、クグツパーティーのリーダー。クグツ村出身者で構成されている。

 何故なら、引き金一つで人を殺せる銃と言うものは信頼関係がないと渡せない物だ。


 およそ10年か?試行錯誤して銃の運用出来るまでになった。

 いろいろな失敗があった。

 喧嘩による同士討ちもそうだ。


 そもそも銃とは集団行動で使う物か?そんなことすら分からなかった。

 奴らはいつも一人で現れる。


 それに銃は最強の武器だ。しかし、数は多く用意できない。弾だって多量に消費する。

 結果、少人数による隠れての待ち伏せからの狙撃に落ち着いた。


「しかし、何故、彼らは目立つマダラ模様でくるのかしらね」

「さあ」


 植生が違うのに、奴らはそのまま来る。

 私達は改良し、マダラ服に草木をつけることにした。まるで猟師のように隠れるのだ。


 そもそもこのマダラ服の背中には、草木を通すように、布が縫い付けられてあった。


「かくして、クグツパーティーはクエスト49回目達成と・・・縁起の悪い数字を超えたから、これからは女神様が微笑むわ」

「敵は簡単ですしね。50メートル以内の近接戦闘一辺倒だ」

「こら、スミス、敵を侮らない」

「申訳ございません」


「しばらくしたら三番に飯を食わせて武器を召喚させて、言う事を聞かなかったら殴って良いから」


「了解です」



 さて、依頼主に報告書を提出し、金も稼いだから村に帰るか。

 と思ったら、新たなクエストが舞い込んだ。


 盗賊ギルドからだ。


「グシシシシ、金貨100枚のクエストですぜ」

「ターゲットは?」


みなごろしのフランソワです」


「みなごろし・・・」


 聞いた事がある。奴も銃使いと言われている。詳細は分からない。何故なら皆殺しに合うからだ。


「奴はヒドいんですぜ。はした金で兄弟達を狩りやがる。さっさと中央貴族のお抱えになれば良いのに」


「中央貴族?」


「奴は他にも商業都市の旦那衆のお抱えも断り。村人達の依頼で動きやがる。全く、とんでもない奴ですぜ」


 気に食わないね。私達の目標はお貴族様のお抱えになって、契約金を村に送ることだ。


 私達の村は山間だ。土地はやせ。牧畜も出来ない。だから村の若衆は傭兵になる。


「受けた!」

「さすが、クグツ団、頼りにしていますぜ」



 盗賊の金でも金は金だ。これがあれば山羊じゃない。牛を揃えられる。一体、何人の赤子が救えるか。



 敵は独りか、どうせ、いつもの黒髪と同じだろう。

 でも、油断はしない。


「ジム、情報ギルドにフランソワの情報を探させて」

「はい、リーダー」


「その他は準備と訓練よ。二番と三番に弾薬を召喚させて」

「「「了解!」」」


 敵は100メートルで撃ってくるだろう。通常の二倍の距離を想定する。

 この銃というものは先に見つけた方が勝ちだ。


「ミシリー、索敵能力期待しているわ」

「はい、リーダー」

「リーダー、俺だって」

「耳、もちろんよ」


 さて、そんな中、盗賊ギルドから連絡が来た。フランソワが出没したとのことだ。


「ジムがまだ来ていませんが・・・」

「時機を逃してはいけないわ。自分たちの能力を信じるのよ」


 扇状の地に現れたそうだ。


 馬鹿め。足跡を残している。バイクと言うものに乗っているらしい。一輪の車輪の跡を追う。


「ミシリー、気配は?」

「はい、半径100メートル先に人かげなし。キャアアアーーー」


 え、撃たれた。ミシリーは女だ。それを頭部を・・・、頭は難しい。何故、ミシリーにも草木を巻き付けていたのに・・


「即死です。リーダー」

「うろたえない。ここから近いということだ」

「ギャア!」


「スミス!」


 あっという間に二人死んだ・・・・耳から報告があがる。


「リーダー、銃声がかすかに聞こえました。着弾時間、およそ・・・0.5秒!」


 まさか、検証の結果、銃弾の秒速は1000メートルだ。

 つまり、500メートル先から撃っているの?


「分散!木に隠れろ!」


 バン!バン!


「「ギャアアー!」」


 また、二人撃たれた。間に合わない。

 私は地面に伏せた。


「地面に伏せろ!」


 もう、私を含めて4人しか残っていない。



 その時、ジムがやってきた。情報ギルドに派遣していた。


「リーダー!あれ?」

「ジム伏せろ!」


「リーダー、大変です。やっとのことで情報を引き出せたみたいです。奴は・・・奴のスキルは戦闘工兵、爆裂魔法を自在に扱うそうです」


「爆裂魔法?あの最大級の?」


 ・・・彼女らは錯誤に陥っているが、脅威に感じるのは正しかった。

 通常、現代戦でも分隊規模でも爆破は欠かせない。

 野戦は言うに及ばず。市街地線でも如何にドアを効果的に爆破するか、リソースを割いて研究訓練されている。


 この場合。


 空にナニカが飛んできた。


「リーダー、ナニカが飛んでいます!」

「次は何なの?」


 知らないのも無理はなかった。爆薬を積んだドローンだった。


 空中で炸裂し、破片が彼女らを襲った。



 ☆☆☆30分後。


 彼女らの前に小柄な迷彩服の兵が来た。


 1人1人死亡を確認している。


 ジーンの前で止った。

 カチャとコウカンを引く音が響いた。撃鉄をあげたのだ。射撃をする前の動作だ。


「フフ、ねえ。貴方、どうして、私達の居場所がわかったの・・」

 すると、その人物は答えた。少女の声だ。


「丸分かりだ。草木はしなびていた。数時間で変えるべきだ」


「どこから撃っていたの?どうして、頭部の射撃が成功したの・・・」


「450メートル先、頭部へは偶然だ。胸を狙ったが、たまたまだ」


「あの空を飛ぶ魔道具は・・・」

「ドローンだ。最新の兵器だ」


 全く、私は敵を舐めていたわ。


「ねえ。お願いがあるの。ここから二キロ先に私達の仲間が二人いる・・・わ。グハ、はあ、はあ、8時間後、私達が帰らなかったら全てを捨て村に戻るように言いつけてある。

 料理番のマリと見習いのトムよ・・・」


「そう、分かった」


「馬車の中に貴方たちの仲間がいるわ。二人、彼らも武器を・・・」


 ジーンは息をのんだ。

 見上げたら、フランソワもまた、この世界の人族だ。目は青、しかし、兜からこぼれた髪は月のない夜のように真っ黒だ。


「馬車の中に・・・異世界人がいる。好きにしなさい」

「分かった」


「貴方のスクールは?」

「流派?知らない。父から習った。ニホンニアの騎士団出身だ」


「さ、最期の質問よ・・・どうして、グハ、お貴族様のお抱えを断る・・の」

「父からの教えだ。この武力、民を守るためにつかうべき」


全く甘い。だけど、何故か目から涙がこぼれる。

もっと知りたかった。


 バン!銃声が響いた。


 その数時間後、武器庫馬車は爆破されることになる。


 後にクグツ村に対盗賊のクエストが多く舞い込み。多くの村人達が雇われたのは、この少女の助言があったかは定かではない。



最後までお読み頂き有難うございました。

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