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第 87 話:君の名前は
光の球体は、ゆっくりと人の形をとっていった。
現れたのは、オメガと同じ顔をした少年。
だが、その瞳は澄んでいて、無垢な輝きを宿していた。
「……ここは?」
「おはよう」
ノアが優しく声をかける。
少年は不思議そうに自分の手を見つめた。
「僕……誰?」
「あなたは……」
ノアは少し考えて、微笑んだ。
「ソラ。あなたの名前はソラよ」
「ソラ……」
「広い空のように、自由に生きてほしいから」
少年――ソラは、嬉しそうに笑った。
「ソラ! 僕、ソラだ!」
彼は無邪気に飛び跳ねる。
かつての破壊神の面影はない。
ただの、純粋な少年がそこにいた。
「よかったな、ノア」
「うん。これで、本当の兄弟になれた気がする」
ノアはソラの手を握った。
二人の手から温かい光が溢れ、世界へと広がっていく。
戦いは終わったのだ。




