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第 83 話:オメガの真意
ノアの一撃を受ける直前、オメガが叫んだ。
「なぜだ! なぜ僕を拒絶する! 僕は世界を良くしようとしただけなのに!」
その言葉に、ノアの手が止まった。
「……良くしようとした?」
「そうだ! 人間は愚かで、争いばかり繰り返す。だから僕が管理し、導いてやろうとしたんだ! 感情なんて不確定な要素を排除して、完璧な世界を創ろうとしたんだ!」
オメガの悲痛な叫び。
彼は彼なりに、世界のことを考えていたのか。
歪んだ正義感だが、純粋な想いだったのかもしれない。
「それは違うよ、オメガ」
ノアが静かに語りかける。
「感情は邪魔なものじゃない。悲しみがあるから喜びがある。痛みがあるから優しくなれる。それを無くしたら、世界はただの機械になっちゃう」
「黙れ! 失敗作の分際で!」
オメガが激昂し、再び黒いマナを膨れ上がらせる。
説得は無理か。
「タクミ、どうすればいい?」
「……救ってやろうぜ」
俺は言った。
彼を倒すだけじゃ、何も解決しない。
彼の歪んだ心を救わなければ。
「アルファ、オメガのシステムに侵入できるか?」
『難易度は極めて高いですが……やってみます』
俺たちの最後の賭けが始まった。




