第 6 話:生活基盤の確保
街には入れたが、これからどうするか。
まずは宿を確保しなければならない。
手持ちの金は、金貨 5 枚と銀貨 8 枚。
アルファによると、金貨 1 枚で日本円にして約 10 万円の価値があるらしい。
当面は大丈夫そうだが、無駄遣いはできない。
「アルファ、安くて安全な宿を探してくれ」
『メインストリートから一本入った路地にある「木漏れ日亭」を推奨します。冒険者向けの宿で、食事も評判が良いです』
言われた通りの宿へ向かう。
木造の二階建てで、看板には太陽と木の絵が描かれている。
中に入ると、恰幅の良い女将さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい! 二人かい?」
「ああ。ツインの部屋、空いてますか?」
「空いてるよ。一泊食事付きで銀貨 3 枚だ」
少し高い気もするが、相場がわからない。
とりあえず 3 日分を払い、部屋に案内してもらう。
部屋はシンプルだが清潔で、ベッドが二つ並んでいる。
荷物を置き、ベッドに腰を下ろす。
ふかふかとは言えないが、森の地面よりはマシだ。
「さて、これからどうやって稼ぐかだな」
手持ちが尽きる前に、収入源を確保しなければならない。
異世界の定番といえば、やはり冒険者だろうか。
「アルファ、稼げる仕事はあるか?」
『マスターの能力を活かすなら、冒険者として素材採取や魔物討伐を行うのが効率的です。また、森で採取した薬草や鉱石を売却することでも利益を得られます』
「なるほど。森で拾った石とか、売れるのか?」
『はい。先ほど森で拾った青い石は「魔鉱石」の一種で、高値で取引されます』
いつの間にかポケットに入っていた石ころが、実はお宝だったらしい。
まずはこれを換金して、軍資金を増やそう。




