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第 58 話:創生のハンマー
ハンマーを手にしたノアは、不思議な感覚に包まれていた。
「これ……温かい。誰かの声が聞こえる」
「声?」
「うん。『未来を創れ』って」
それは、かつてこのハンマーを作った古代人のメッセージかもしれない。
破壊のためではなく、創造のために。
ノアの使命は、まさにそこにある。
「よし、これでオメガのバリアも怖くないな」
「ああ。でも、まだ足りない」
ギムレットが口を開いた。
「このハンマーは、長い間眠っていたせいで力が鈍ってる。真の力を引き出すには、鍛え直す必要があるんだ」
「鍛え直す? どこで?」
「『天空の鍛冶場』だ。獣人たちの国、ザファリアにある」
また新しい目的地か。
世界中をたらい回しにされている気分だが、やるしかない。
「わかった。次はザファリアだな」
「俺も行くぜ」
ギムレットがハンマーを担いで立ち上がった。
「え?」
「ハンマーの鍛え直しには、最高の鍛冶師が必要だろ? 俺以上の適任はいねえよ」
「ギムレット……」
頼もしい仲間が増えた。
俺は彼と拳を合わせた。
「よろしくな、ギムレット」
「おう! 任せとけ!」
こうして、俺とノア、そしてギムレットの三人旅が始まった。




