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第 51 話:長老の導き
エルフの長老から授かった地図を頼りに、俺たちは火山地帯を進んでいた。
地面からは熱気が立ち上り、硫黄の匂いが鼻をつく。
普通の人間なら数分で倒れる環境だが、俺たちは錬金術で作った冷却装備のおかげで平気だ。
「暑くないか、ノア?」
「……うん。涼しい」
ノアは首に巻いた冷却スカーフを触りながら頷く。
このスカーフには、氷の魔石が織り込まれている。
俺の自信作だ。
「長老の話だと、ドワーフたちは人間嫌いらしいな」
「……仲良くできるかな」
「まあ、なんとかなるさ。俺たちにはこれがある」
俺はポケットに入っているミスリル銀のインゴットを叩いた。
ドワーフは優れた金属や技術に目がない。
これを見せれば、話くらいは聞いてくれるだろう。
「それにしても、すごい景色だな」
見渡す限りの荒野と、噴煙を上げる火山。
生命の気配は薄いが、大地のエネルギーに満ちている。
マナの濃度も高い。
「ここなら、すごいアイテムが作れそうだ」
「タクミ、楽しそう」
「ああ。錬金術師の血が騒ぐよ」
俺たちは過酷な環境をものともせず、ドワーフの国を目指して歩を進めた。




