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第 47 話:森の病
案内された場所は、酷い有様だった。
巨木が立ち枯れ、地面は黒く変色している。
シリルの鉱山よりも深刻な状態だ。
「これは酷いな……」
『汚染レベル 7。放置すれば森全体に広がります』
「できるか、ノア?」
「うん。やってみる」
ノアは枯れた大木の前に立ち、祈るように手を合わせた。
彼女の体から、清浄な光が溢れ出す。
「森よ、癒えて……」
光が波紋のように広がり、黒い大地を染めていく。
枯れ木に緑が戻り、蕾が花開く。
死んでいた森が、みるみるうちに蘇っていく。
それは奇跡としか言いようのない光景だった。
「馬鹿な……。これほどの浄化の力……」
「精霊の……いや、女神の御業か?」
監視していたエルフたちが、驚愕の声を上げる。
やがて光が収まると、そこには美しい緑の森が戻っていた。
「ふぅ……」
ノアが息をつく。
今回は倒れなかった。
力の制御が上手くなっている。
「……見事だ」
部隊長のエルフが歩み寄ってきた。
その表情からは、敵意が消えていた。
「非礼を詫びよう。あなた方は森の恩人だ。里へ案内しよう」
俺たちはエルフたちに認められ、彼らの里「エルヴヘイム」へと招かれた。




