第 41 話:過去の残響と新たな脅威
オメガの襲撃から逃れ、俺たちはオアシス都市ザハラに戻ってきた。
宿の一室で、俺たちは重い沈黙に包まれていた。
「……ごめんね、タクミ。私のせいで」
ノアが俯く。
彼女は自分を責めている。
オメガという脅威を呼び覚ましてしまったことを。
「謝るな。悪いのはあいつだ」
俺はノアの手を握り、アルファに問いかけた。
「アルファ、オメガについてわかったことは?」
『はい。オメガはノアと同時期に開発された「神の器」の試作機です。しかし、ノアとは異なり、攻撃的な機能に特化して設計されています』
「あいつ、人工神計画とか言ってたな」
『はい。遺跡のデータベースから断片的な情報を復元しました。古代文明は、マナを無限に生み出し、世界を管理するシステム「デウス・エクス・マキナ」を構築しようとしていました。その中核となるのが、ノアやオメガのような生体ユニットです』
世界を管理するシステム。
聞こえはいいが、要は世界征服のための兵器だ。
「オメガは、他の施設も起動させると言っていた。もしそうなったら?」
『世界中のマナバランスが崩壊し、大規模な天変地異が発生します。最悪の場合、文明は滅びます』
冗談じゃない。
俺たちの平穏な旅が、いつの間にか世界の危機に直結してしまった。
「止めるしかないな」
「……うん。私が、止めなきゃ」
ノアが顔を上げる。
その瞳に迷いはなかった。
自分の運命に立ち向かう覚悟を決めたようだ。




