第 31 話:王宮からの褒賞と新たな謎
「眠り病」事件の解決から数日後。
俺とノアは、王城の謁見の間に招かれていた。
玉座には国王陛下、その隣には王女殿下が座っている。
「水瀬拓海、そしてノアよ。此度の働き、誠に見事であった」
国王の重々しい声が響く。
俺たちは跪き、頭を垂れる。
「褒美を取らせよう。望むものがあれば申してみよ」
「では、一つだけ」
俺は顔を上げ、ノアを見た。
彼女は緊張した面持ちで頷く。
「金品は不要です。代わりに、ノアの記憶に関する情報をいただきたいのです」
「記憶、とな?」
「はい。彼女は『白い部屋』『古代文明の施設』といった断片的な記憶を持っています。これに該当する場所に心当たりはありませんか?」
国王は顎に手を当て、考え込む。
すると、控えていた宮廷賢者が進み出た。
「陛下、よろしいでしょうか」
「うむ、申せ」
「その特徴……おそらくは南方の砂漠地帯にある『クロノスの遺跡』かと思われます。古代文明の研究所跡と伝えられる場所です」
クロノスの遺跡。
初めて聞く名前だ。
だが、ノアの表情が変わった。
その名前に、何かを感じたようだ。
「……クロノス。知ってる。そこに行けば、わかる気がする」
「決まりだな」
俺は国王に向き直る。
「陛下、その遺跡への立ち入り許可をいただけますか?」
「うむ。良かろう。通行証と、調査に必要な物資を用意させよう」
こうして、俺たちの次の目的地が決まった。
ノアの過去へと繋がる、南の遺跡だ。




