第 26 話:王都アークライト
旅の終わり。
丘の上に立つと、眼下に巨大な都市が広がっていた。
王都アークライト。
白亜の城壁に囲まれ、中心には天を突くような巨大な王城がそびえ立っている。
シリルの街とは比べ物にならない規模だ。
「でかいな……」
「……白い。きれい」
俺たちは検問を通り、王都の中へと入った。
メインストリートは馬車が行き交い、着飾った人々で溢れている。
活気はあるが、どこかピリピリとした空気も感じる。
「眠り病」の影響だろうか。
俺たちはまず、依頼主である大貴族、バーネット公爵の屋敷を訪ねた。
貴族街の一等地に建つ、豪邸だ。
「よく来てくれた、水瀬殿」
公爵は初老の紳士で、疲れた顔をしていた。
彼の一人娘もまた、眠り病に倒れているのだという。
「娘だけではない。王都の多くの若者が、原因不明の眠りについている。どうか、救ってほしい」
「全力を尽くします。まずは、患者の状態を見せてもらえますか?」
公爵の案内で、娘の寝室へと向かう。
天蓋付きのベッドに、美しい少女が眠っていた。
まるで童話の眠り姫のように、安らかな顔で。
「……」
ノアがベッドに近づく。
その表情が、強張っていくのがわかった。
彼女は何かを感じ取っている。
俺はアルファに解析を命じた。
「アルファ、スキャン開始」
『了解。生体スキャンを実行します』




