第 22 話:王都からの招待状
騎士団に連れられ、俺たちは街の領主館へと向かった。
そこには、豪華な馬車と、一人の高貴な雰囲気を持つ男性が待っていた。
王都から派遣された使者だという。
「突然の訪問、失礼した。私は王宮魔術師団の副団長、エルヴィンと申す」
「丁寧なご挨拶、どうも。で、王家が俺に何の用ですか?」
エルヴィンは懐から一通の封筒を取り出し、俺に差し出した。
王家の紋章が入った、正式な招待状だ。
「単刀直入に言おう。王都近郊で流行している奇病『眠り病』の解決に、貴殿の力を借りたい」
「眠り病?」
「うむ。突如として人々が深い眠りに落ち、二度と目を覚さなくなる。原因は不明。治療法も見つかっていない」
エルヴィンは深刻な表情で続けた。
王宮の魔術師や医師たちが総力を挙げても、解決の糸口すら掴めていないという。
そこで、シリルで鉱山のマナ汚染を解決した俺の噂を聞きつけ、白羽の矢が立ったわけだ。
「アルファ、眠り病について心当たりは?」
『情報不足です。しかし、自然発生した病とは考えにくいパターンです。人為的な、あるいは呪術的な要因が推測されます』
きな臭いな。
王都の権力争いとか、そういう面倒なことに巻き込まれるのは御免だ。
「光栄な話ですが、俺はただの冒険者です。そんな大役は……」
断ろうとしたその時だった。
隣にいたノアが、ふらりとよろめいた。
「ノア!?」
「……眠り、病……」
ノアは虚ろな目で呟く。
その顔色は青白く、額には脂汗が滲んでいる。
「……知ってる。私、これを知ってる気がする」
「え?」
ノアが、自分の記憶に触れた。
これは、ただの偶然じゃない。
俺は招待状を握りしめた。




