第 2 話:初めてのスキル創造
森の中を歩き始めて数十分。
道なき道を進むのは、想像以上に体力を消耗する。
木の根に足を取られそうになりながら、俺は息をついた。
「はあ、はあ……。これ、街に着く前に日が暮れるぞ」
『マスターの現在の身体能力では、シリル到着までに約 8 時間を要します。日没までの到着は困難です』
「マジかよ……」
アルファの冷静な分析に、肩を落とす。
夜の森なんて、魔物の餌食になる未来しか見えない。
何か手はないか。
そうだ、アルファがいるじゃないか。
「アルファ、この状況を打破するスキルとか、作れないのか?」
『可能です。マスターの固有能力『全知の創造者』により、任意のスキルを生成・習得できます』
「おお、すごいな。じゃあ、森を安全に移動できて、ついでに魔物とかもわかるようなスキルを頼む」
『承知しました。以下のスキル構成を推奨します』
脳内にウィンドウのようなものが浮かび上がる。
* **鑑定 Lv1**: 対象の情報を解析・表示する。
* **気配察知 Lv1**: 周囲の生物の気配を感知する。
* **身体強化 Lv1**: 身体能力を向上させる。
『これらを生成しますか?』
「ああ、頼む!」
『了解。――スキル生成、完了。インストールします』
瞬間、全身に熱が走る。
力が湧いてくるような感覚。
視界がクリアになり、周囲の音が鮮明に聞こえるようになった。
試しに、近くの木を見てみる。
**【名称:オークの木】**
**【説明:硬く丈夫な木材。建築資材として使われる】**
文字が浮かんで見えた。これが『鑑定』か。
そして、身体が軽い。
軽くジャンプしただけで、自分の身長ほども跳び上がれた。
「すげえ……! これならいける!」
俺は地面を蹴り、風のように森を駆け抜けた。




