第 13 話:初めてのポーション作り
本格的な錬金術を行うため、俺は街の外れにある貸し工房を借りた。
家賃は月銀貨 30 枚。
少し高いが、先行投資だ。
「まずはポーション作りからだな」
錬金術師の基本であり、最も需要がある消耗品だ。
材料は、森で採ってきた薬草と水。
普通の錬金術師は、これらを煮詰め、魔力を込めながら混ぜ合わせる。
失敗すればただの苦い汁になるらしい。
「アルファ、最高効率のレシピを頼む」
『了解。温度 82 度で 15 分間加熱。その間、右回りに毎秒 2 回転の速度で撹拌。魔力注入のタイミングは……』
アルファの指示はミリ単位で正確だ。
俺はその通りに手を動かす。
鍋の中の液体が、濁った緑色から透き通った青色へと変化していく。
不純物が消え、魔力が均一に溶け込んでいくのがわかる。
「よし、完成だ」
出来上がったポーションを小瓶に詰める。
鑑定してみる。
**【名称:ハイポーション】**
**【品質:最高品質(S ランク)】**
**【効果:HP を大幅に回復。欠損部位の再生も促進する】**
「うわ、いきなりハイポーションができちゃったよ」
普通の下級ポーションを作るつもりだったのに。
アルファの計算と俺の魔力制御が完璧すぎたらしい。
「……きれい」
作業を見ていたノアが、青く輝く小瓶を見て呟く。
その瞳には、キラキラとした光が映っていた。
「だろ? これなら高く売れるぞ」
俺は量産体制に入った。
夕方までに 50 本のハイポーションが完成した。
これを売れば、オルゴールの修理部品も買えるし、もっといい装備も揃えられる。
錬金術、最高だ。




