第 12 話:錬金術という新たな道
宿に戻った俺は、早速アルファに相談した。
「アルファ、このオルゴールを直したい。あと、もっと効率よく稼げる方法はないか?」
『オルゴールの修復には、精密な部品加工と魔力伝導率の調整が必要です。現在のマスターの技術では不可能です』
「やっぱりか……」
『しかし、新たなスキルを習得することで解決可能です。同時に、それは高効率な収入源にもなり得ます』
アルファが提示した答えは、予想外のものだった。
『錬金術師への転向を推奨します』
「錬金術?」
『はい。物質の構成を理解し、再構築する技術です。オルゴールの修復はもちろん、ポーションや魔道具の作成により、冒険者以上の収入が見込めます』
なるほど、錬金術か。
ファンタジーの定番だが、難しそうなイメージがある。
「俺にできるか?」
『可能です。『全知の創造者』の権限により、錬金術の知識ライブラリと基本スキルを即座にインストールできます』
「よし、それだ! 頼む!」
『承知しました。――錬金術知識、およびスキル『アイテム創成 Lv1』『物質解析 Lv1』をインストールします』
再び、脳内に膨大な情報が流れ込んでくる。
金属の融点、薬草の成分、魔法陣の構築式……。
一瞬で、俺は熟練の錬金術師並みの知識を手に入れた。
「すごい……。これなら、何でも作れそうだ」
手始めに、手元にあった鉄くずを手に取る。
スキル『アイテム創成』発動。
イメージするのは、一本の釘。
魔力を流し込むと、鉄くずが光に包まれ、形を変えていく。
光が収まると、そこには歪みのない、完璧な釘があった。
「できた……!」
俺は拳を握りしめた。
これで、ノアのオルゴールも直せる。
そして、俺たちの生活も変わるはずだ。




