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光の欠片、闇の余白  作者: こっくん
第三章 鏡の信仰

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聖ペルトニック 3-3 信仰の残骸

 ..「断層都市」の最も中央に存在するタワー。その高さは雲を超えるほど高く、最も人間が中に入っていく施設である。その地下..何階かはアモルにとっては不明だが、その地下室にアモルはいた。気づいたらここにいたのだ。誰かに誘拐されたのか、それとも何かの因果なのかはわからないが。今見えることは、この地上にはあの中心のタワーがあることと、ここが「儀式的保守地区」ということが書かれた紙しかない。


 「儀式的保守地区」..言っていることはわからないが、何かしらの宗教的なものがあるのだろうか?とても不規則的で、この都市に合ってはいない。しかも、後ろには階段とか、そういう地上につながるような階段はない。あるのは目の前にある冷たい鉄のグリップがついた鉄のドアしかない。


 ..アモルは数十秒程度考えたが、このドアを開けるしか道はない。開けてみると、そこには..特に何もなかった。あるのはただのそれなりに大きい四角柱の石だけであった。しかし..なぜかノイズ音が微かに、本当に少しだけ聞こえてきた。


 アモルは、そのノイズの先に何かしらの道があるのではないかと考え、百数十個の部屋とドアをどんどん通っていった。途中、スタミナ切れで過呼吸になったこともあったが、部屋を見てみると椅子がそこにはあったため、なんとか落ち着いて体力回復をすることができた。


 ...しかし、無から椅子が生まれることがあるのだろうか?


 そして、最後の部屋にたどり着いた。その広さは..大体400か500平方メートルといったところだろうか?そこには、儀式を執り行っている人々がいた。


 「..ああ、我らの主よ..この広大なる神殿に参りその麗しい声をお聞かせください..」  


 ..白い衣を纏った人間たちが松明をつけ、祈りをささげる。しかし、彼らのその祈りの声はまるで自動音声のように棒読みで、動きも単一的だ。..多分、未だに「断層都市」の中にいるという事実は正しいのだろう。逃げたって、後ろには何百の空虚な部屋しか存在しない。


 しかも、先ほどの祈祷文以外は全て理解が不能な言語によって構成されている。決して、祈りの言葉ではなく、神の「再起動」をするためだけのただのプログラム文にすぎなかったのだ。


 アモルは、神官であるが所以にその動きに違和感を持たざるを得なかった。確かに、かつて「神」を「観測:したとき、自分が立っていた場所の反射構造と似ている。しかし、その小さな祭壇は、もう「神」とは呼べないだろう。ただただ形式的に、反復的に崇拝しているだけにすぎない。


 信仰はただの自律ではない。この祈りは、意味が崩落しているのだ。信仰のゾンビ化、機械の祈りと名付けるのが正しいだろう。


 アモルは一歩踏み出して、その祭壇を破壊した。そこには、一つの扉がまた存在した。そこからまたあの地上に脱出できるのだろうか?アモルはそんなことを考えながらその扉を開けようとした..が、何かがおかしい。いまだにあの祈りの声が聞こえるのだ。


 そんなことはどうだっていい。その重い扉を開けると、そこにはいくつものモニターがあった。内部は光ではなく、ただの..「反射データ」があった。そこに何かしらのの「神の像」ではなく、祭壇自身の観測ログが記録されていた。そして、そこには接続できるところが存在した。かすかに文字があり、そこには


 「欠片と接続せよ」と書いてあった。


 「欠片」..?どうやって?とりあえず、その接続のところを触ってみる。..あのノイズが途切れた。そして、静寂が訪れる。だが次の瞬間、機構は事務的にエラー修復を開始し、儀式は何事もなかったかのように再起動を行った。


 アモルは、あの扉の前に立ち尽くす。「祈り」はまだ続いている。しかし、それは誰に向けられたとか、目的がある代物でもない。形式が、自分を維持するための「反復」にすぎない。


——信仰とは、今やもう「観測の残響」でしかない。


 ..彼の胸には、かつて確かに「神」を感じた記憶がまだ残っている。あの初めて「観測」を行ったときの記憶だ。それだけが、この世界で唯一の異物だった。











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