聖ペルトニック 16-1 悪魔よ、呪われし鍋の中に入れ
「..私はどうなるのだろうか?苦しみも、肌にこの光が当たる感じも、何もかも感じられない。私はまるで死んだような感覚だ。」
アモルが観念の海に入った後、何も感じなくなった。いや、せめて見えるのは微弱な「欠片」たちの光であった。この海に出口はあるのだろうか?永遠だとしたら、少なくとも恐ろしいものだ。しかし、幸運にもこの海は無限ではなかったようだ。
「あぁ、神よ。また世界を観察できるようにはならないのかね?」
そう訴えると、海全体がまるでスクリーンのように、世界を映し出したのだ。どこの世界かはわからないが、アモルはまたもう一回世界を観察できることに興奮せざるを得なかった。まるで空を飛んでいるような感覚をアモルに与えた。
「おぉ..この世界は、どこなんだろうか..?」
おそらく、神殿の裂け目で見たあの孤島ではないだろうが、どうも山の斜面にその街は存在していた。その街ではほそぼそながらも、畜産などで生活を暮らしているのがわかる。
そんな中、何かその小さな街が騒いでいた。どうやら、新しい赤ちゃんが生まれたようだ。そのような人間の生活の営みに対して、アモルは自分を卑下せざるを得なかった。
自分はこの海に来る前、ただ神殿に行って神に祈りをささげた後、ただ階段に行ったり裂け目で別の世界を見た後、また祈りをささげるだけなのに、彼らは他人と幸せに暮らし続けている。なにかしらの虚無、虚無を感じざるを得なかった。
そうやって神殿で祈りを捧げていた時を思い出していると、海の世界では雷雨に見舞われていた。
人々は屋根の下に逃げ、雷は山の近くに落ちている。
アモルは疑問に感じた。さっきまでは雲一つもない晴天だったはずなのに、なぜ急に雷雨が発生したのだろうか?流動性が激しすぎる。さらに一つ、疑問が浮かんだ。自分の感情が、天気や世界などに影響うぃお与えたのではないか?さっきの孤島にも似たようなことが言えるだろう。
アモルは意図的に自分の感情へと怒りに変えた。そうした瞬間、突然雷がある小屋へと当たり、火災が発生したのだ。アモルはその光景を信じることができなかった。どうやらアモル自身の感情が世界をコントロールできるというのは本当らしい。
アモルは自分が持っているこの強大な力に恐怖すると同時に、面白がった。自分次第で、世界を滅亡させることができれば、世界を繁栄の道へと導くことができるからだ。
そしてその火災、アモルの怒りの感情は街を連鎖へともたらした。ある森には火が移り、ある男性は自分の倉庫が燃えている現状に怒りつつも消火活動を行い、ある女性は子供を少し遠いところへと従わない子供をしかりつつも避難させた。
アモルは、アモル自身の感情が事件、さらには世界自体を動かすことを完全に理解した。..しかし、いつこの海は終わるのだろうか?永遠をあの神殿で理解したいたからこそ、第二の神殿に滞在する気はなかった。しかも、もしこの街があの孤島のように破壊しつくされてしまったら、アモルは今度は何をすればいいのだろうか?火災で燃えている小屋からでる少数の「欠片」をみながらアモルはまた問いかけた。
しかし、そのような運命に対する恐怖が沸き上がったのと同時に神のような力を手に入れた今ならあの神殿で祈っていた神を信じる必要はないのではないか、アモルはそのように考えた。しかし、かといってアモル自身が神である..とも考えたくなかった。
神は存在しないとは思うが、神官として神は信じざえるを得ない。神のような力は手に入れたが、神自体が自分であるとも思えない。アモルはその感情、立場、自我の間に挟まれて、何かの種が脳にまかれたようになった。
そんな中、突然海が光りだした。この海の終点がもう来ているのだろうか?それとも、また別の空間へと移転するのだろうか?アモルはそんなことを思いながら世界を見ていると、突然街の住民が一斉に、まるで映画のようにアモルを視認し、一斉に指をさしてきた。
アモルはその瞬間、今置かれた状況に混乱としているままこう問いかけた。
「...なぜ私は見られているのだ!どうしてなんだ!?」




