聖ペルトニック 最後の対話
静止した鏡の都市を彷徨っていたアモルに、記憶にある物体があった。あれだ。「断層都市」にあった、あの「像」だった。どうやら全部同じ世界だったようだ。アモルはそれに驚かざるを得なかった。それは、あのアモルに壊されたときの姿をそのまま維持していた。あの光の大波に飲まれてはいなかったようだ。
その像にゆっくりと、アモルは近づいてゆく。まるで、核心へと恐る恐る近づいていくかのように。何かしら、新しい物質をまじまじと見るかのように。
「あぁ、アモルか。」
最初の「像」の一言は、まるで若々しい淑女のような神聖な声とは違った。あの時聞いた声とは違い、むしろ年老いた老人のような声で、そして、軽い。まるで、山奥に50年くらいいた程度の軽口で話しかけてきた。
「..お前か?」
「あぁ、あの時お前に粉々にされた、あの像だ。」
「..なぜ生きている。」
「なぜ?さぁ..」
アモルは、像に対して何もできない。世界が停止して、あらゆるものがその場で「観測」を喪失している中、この「像」の思考だけはまだ生き残っているのだ。なんて執念深い、とでもいうべきなのだろうか?わからないが、とりあえず「像」の残骸がたしかにあることは事実だ。
「..自分はどうすればいいんだ?」
「どうするって..もうお前に壊された私には何もできない。自分で決めた末路だ。最期も自分で決めたらよい。」
「..例えば?」
アモルは、「像」から何かしら情報を手に入れようとした。まるで、海をバケツで調査するような動きだ。まるで正しくない。
「あぁ、例えば..そうだな、こういう手もどうだ?あそこの
突然、右目から光の波が押し寄せてきた。まるで、この世界が核心へと触れさせないように。




