表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の欠片、闇の余白  作者: こっくん
第四章 鏡の民

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

聖ペルトニック 1-16 鏡のアモル

 ..自分の昔の姿を見たアモルを、後ろから誰かが首を捕まえる。突然のことでアモルは、まるで今も夢にいるのかと思ったが、足と地面がこすり合う音を聞いて、これが現実であることを認識せざるを得なかった。


 「やめろっ..なんで自分をっ...」


 ..アモルは意識を失った。なぜこんなことになったのか?..あの、観測されなくなったこと。あれが条件だとでもいうのか?アモルはどうなるのだろうか?誰がアモルを、まるで誘拐のようなことをしたのだろうか?


 ..目覚めると、アモルは監獄にいた。おそらく地下の牢獄なのだろう。まるで、あの数百部屋もあった、中央のタワーの下にいるような気分になった。


 手、足は..おそらく自由に動ける。おそらくというのは、ただ動けるというだけで、それを視覚的に見ることができないからだ。つまり、目だけは拘束を受けてるということだ。目を閉じることさえ許されない。目は渇きはしない。瞳の奥まで、光が流れてくるのだ。


 その拘束されている部屋の中心には大きな結晶があり、そこへアモルの視覚、記憶、データが移されてゆく。鏡の民はこの行為を「統制」だったり「記録」だったり呼ぶ。鏡の民にとっては、信仰というのはまるでパン一斤だったり、バケツ一杯の如くただの生存条件の一点に過ぎないということだ。まぁ、アモルはそれを取られていることを認識していないだろう。


 まるで、今まで「見る者」として見てきたアモルが「見られる」側になったようだ。


 どんどん、色んな自分の視点がうつされてゆく。神殿の石の階段を下りてゆく記憶、断層都市の中心から逃げてゆく光景..いや、ところどころ自分の記憶にないようなものがある。なぜなのだろうか?


 アモルにとって、それはまるで「乗っ取り」のようなものだ。何かが異常であることはいうまでもなかった。多分、誰かが後ろからアモルのことを「観測」していてもおかしくはない。観測は、存在を保障している。しかし、自由は墓へと放り込まれてしまった。


 「これは自分の記憶ではない..誰かが、自分の「考える瞬間」そのものを観測しているんじゃ..」


 記憶の深淵に、その「誰か」が住んでいた。他人ではない。もう一人のアモル自身だ。観測され続けた、あるいは鏡の民、「観測者」にとって望ましい「ロボット」。本来の「アモル」が姿を現した。


 主体的なアモル、そしてただデータとして生き続けているアモル。先に聞きだしたのは後者であった。


 「お前はまだ、観測されることに抗うのか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ