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光の欠片、闇の余白  作者: こっくん
第四章 鏡の民

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聖ペルトニック 3-13 鏡の都市

 「..あぁ、ここは..?」


 「観念の海」に入った後、アモルには記憶がなかった。前入った際は世界を「観測」することができていたのだが..やはり、断層都市の影響がここにも出ているのだろうか?


 ..しかし、ここはどこなのだろうか?あたりは鏡にまみれている。断層都市とあれを定義するのならば、ここは「鏡面都市」とでもいうのだろうか?


 アモルの目には、ところどころ断層都市の跡のようなものが見えていた。特に、中央のタワーの形がかろうじて保っているところが、その根拠を裏付けていた。歩いていくごとに、側面、地面にある鏡が自分を反射してくる。


 その時、アモルは世界の「再生」が起きたのかと思った。世界の構造自体はあまり変わっていない。マンションも、あの高架も、想像すればなんとなく見えてくる。世界の「初期化」後、アモルだけが生き延びたのだろうか。


 いや、何か神聖な服を拵えた人々が、今回の顔のない人間の代わりであったようだ。神の世界に来たとでもいうのだろうか?


 アモルは2人の人間がいるのを見たあと、自分の地面にある鏡を見てみる。どうやら普通の鏡のようで、特に異常なところだったりは見られない。


 またストリートに目を向けると、なんとその人間が消えていたのだ。いつのまにかどこかに移動したのだろうか?たった数秒間ちょっと地面を見ていただけなのに?なにかがおかしい、アモルはそう感じたのだ。


 ストリートに出たあと、遠くを見る。ちゃんと人間がいる。そして少しだけ地面を見て、また遠くを見てみる。そうすると、その人間がもう消えていたのだ。奥の人間も、後ろから来ていたあの人間も。これが今回のこの世界の性質だとでもいうのだろうか?


 多分、この世界ではアモルの目から一度でも消えた場合、まさに「死」ともいえるのだろう。アモルはまた観測する力を手に入れたのか?性質は明らかに違うが。


 しかし、あの断層都市と違うところは、その消えた人間に対して周りの人間が奇妙に「感じる」ということであった。どうやらちゃんとした人間がここで生活を営んでいるようだ。世界の「再起動」のおかげなのだろうか?


 また地面にある鏡を見る..が、なんとそこにアモルの姿は反射されていない。..何かまたこの世界のシステムが変わったとでもいうのだろうか?..しかし、他人が反射しているところはちゃんと確認できる..


 ドッ


 「いっててて..あぁ、すいません..」


 ..どうやらただ単に人の肩にあたっただけだったようだ。少し下を見すぎていたようで..しかし、その人間は謝るどころかその肩が当たったことを認識すらしていない。..もしかして、まるで透明人間のごとく認識されなくなったのか?


 「観測されない人間」として、世界から排除されていた。


 彼は必死になってどこかしらの鏡に逃げ込んだ。鏡に入れるとは考えていなかったが..なんとなく入りたくなったのだ。..そして、鏡の部屋で、自分そっくりの誰かを見つける。


 それは自分の「観測データ」そのものであり、まだ「記録されていた頃のアモル」った。



 ——この都市では、「観測されること」が生存条件だった。

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