花宮カナ、見送る
お疲れ様でございます
まったくね
イタズラを思いついた時の私って、一人でケラケラ笑っています
何してくれてんだ、お前―――
いつか、そう言われる日が楽しみです
それでは本日のぼくコレ、どうぞ
忍の報告はすぐさま達夫に伝わり、達夫は頭を抱え始めた
何か…何か他に手立ては無いのか?―――
さっきまでの喜びようとは打って変わって、片手で顔を覆って苦悶の表情を浮かべている
ウチの娘じゃ、お気に召しませんでしたでしょうか?―――
手前味噌で申し訳ございませんが、見た目も中身も大変良い子だと思うのですが―――
一家、離散―――
設立会社、倒産―――
両親、同時に危篤―――
そんなレベルの絶望が、達夫に襲い掛かる
達夫をどう慰めれば良いか分からず、オロオロする忍
そうこうしている間に、泰恒とカナが部屋から出てきた
「それでは、お邪魔しました。ぼくは、これにて失礼させて頂きます」
お手本のようなお辞儀を披露し、花宮邸を辞する泰恒
「…うん。今日はホントに、ありがとね?」
すっかり元気と平静を取り戻したカナの頬は、ほんのりと赤い―――
笑顔でチョイチョイと手を振る泰恒に対し、カナも同じように笑顔でチョイチョイと手を振る
そして泰恒は、もう一度ペコリと頭を垂れながら、花宮邸の玄関をそっと閉じた
マンションのエントランスを出、少し歩いた先で、とうとう泰恒の膝が折れた―――
本当は、ヤッてしまいたかった―――
うぶなカナちゃんの部屋に、あんなものが置いてある筈が無い
だとしたら、置いたのは両親であり既に公認という事だ
理性のタガを外してしまえていたら、今頃どうなっていたんだ―――
湧き上がって来ては、留まる事の無い後悔―――
正しい行いをしたつもりではあるが、果たして本当にそれで良かったのか―――
そんな懊悩を抱えつつ、泰恒は帰途に就いた
一方その頃、ベッドに寝そべってスマホで隠し撮りした、カナの写真を眺めている男がいた―――
右側にいる泰恒の方に振り返っている笑顔の一枚であり、中々の写り映えである
「…やっぱ、どう見てもカワイイじゃん、この子」
ワイルドな赤髪―――
妖艶な目つき―――
いくつも開けているピアスに、細いが筋肉質な体形―――
ビジュアル系と言っても、過言では無いだろう
写真を眺めながらチラリと見せる舌が、この男の蠱惑的な性分を物語っている
「泰恒君だっけ、悪いね。この子は、ぼくが貰う事にするよ」
男の名は、北村晴夫―――
弁護士を目指す若き英才であり、俊風館高校へは特待生として入学している
野球部所属、ポジションはセカンドである
その一塁への送球は、鋭い―――
「花宮カナちゃんか…キミを抱いたら、どんな声を上げるんだろうね…」
さて、本日もお疲れ様でした
やっぱり、連載3本目は無理くさいです
それでは、おやすみなさい




