花宮カナ、縋る
お疲れ様でございます
なんか草刈りの時期みたいで、私の家の周囲でチェーンソーか草刈り機か、そんな物のエンジン音がヴインヴイン鳴り響いております
私、この時間って寝てたいんですけど…
ムリですよね
そちらもお仕事なのですから
睡眠不足やPCの不調、そんなものと戦いながら、今日も私は書いてます
それでは、本日のぼくコレ、どうぞ
屋敷が死ぬ場面が何度もフラッシュバックし、まだ震えが止まらないカナ―――
実際には、まだ息の根は止まっていないのであるが
「じゃあカナちゃん、ぼくはこれで帰るね?今日はもう休んで?」
そう言って立ち上がる泰恒を見上げ、思わずカナが声を漏らす
「あ…」
不安―――
現在の、カナの心境である
誰かに、まだ傍にいて欲しいのだ
事情を知っており、慰めてくれる泰恒がこのまま帰ってしまえば、恐らくこの不安は続くであろう
そんな気がしたカナが、立ち上がる泰恒の袖を掴んだ―――
えっ…?
カナのその行いに、戸惑いを隠せない泰恒
あの、それ、どういう意味でしょうか?
ここにあるコンドームとか電マとか、使えって事でしょうか?
今ぼく、必死でそれ我慢してるって事、ご存じでしょうか?
「…行かないで」
何と言って良いか分からず、漸くカナが紡ぎ出した言葉が、それである
縋って来る子犬のように、ウルウルとした目でカナから見上げられた泰恒―――
グッ…
いかん、鎮まるんだ…鎮まれ…
弱味に付け込んでここで襲ってしまったら、ケダモノと何も違わないじゃないか
ぼくは、そんな男じゃない
胸を張れないような生き方だけは、絶対にしない
普段からの精神修養を以ってしても軽く限界を超えてしまったが、ギリギリなんとか根性と信念で耐えた
噛み締めた唇からは、ちょっと血が滲んでいる
「うん…じゃあ、ちょっと話でもしようか」
ゆっくりとカナのベッドに座り直し、何かカナを落ち着かせる話題を考え始める泰恒
「…こんな話して、面白いかどうか分かんないんだけど。伊勢神宮の神嘗祭って、カナちゃん知ってる?」
少し言葉の意味を考え、フルフルと首を横に振るカナ
「うん、お宮の中で篝火が焚かれてね、沢山のお膳が一斉に並ぶんだ。すごく綺麗なんだよ?」
うぬの名は、だっただろうか―――
以前何かのアニメで見た、そういうシーンが思い出された
それからの泰恒の話は、目にした者でなければ語れない、詳細なドキュメンタリーであった
歴史的な経緯なども交えつつ泰恒が熱く語る神嘗祭の話は、そういった話に対しては好奇心旺盛なカナの興味を強く惹いた
「…へぇー…一般の人って、中に入れないんでしょう?私も近くで見てみたいな…」
「いつか、見れるんじゃないかな。まだ先の話になると思うけど」
軽いプロポーズのつもりだったのだが、カナが鈍いせいであんまり伝わっていない
花のような笑顔を泰恒に向けて、期待していたのと違う返事をしてきた
「うん!おっきい画面のライブとか、外からそういうので見れるようになるよね!楽しみ!」
ンンンンンンンン…
違う、そうじゃない―――
軽く膝と心を折られそうになった泰恒であるが、すぐに心を持ち直した
まあ、いいか―――
どうやら、カナちゃんが元気になってくれたらしい
今は、それだけで十分だ―――
一方その頃、天井にうっすらと空いた穴から、母の忍が中の様子を覗っていた―――
どうやら、失敗か―――
ウーン…
また落としてしまいました
どなたかMicrosoftの本社ビル吹っ飛ばして下さいませんかね?
いえ、冗談です
本気ではありません
それでは、明日また




