花宮カナ、震える
お疲れ様でございます
まったくね
物書きなどしていると、いろいろ不精化が進んでしまいます
日付とか曜日とか忘れますし、髭とか髪とかいつの間にか長くなってます
爪だけはキーボードを叩くのに邪魔になるので、短くしてますが
北斗の拳で、息をするのも面倒臭えと言っていたあのキャラ―――
あいつの仕事、多分物書きです
それでは本日のぼくコレ、どうぞ
急いでスマホを取り出し、119番を押すカナ―――
「もしもし!俊風館高校で怪我人です、すぐ来てください!」
それ以外にも状況等の説明をし、話が終わったところで屋敷の状態を覗き込む
ン?―――
これってもしかして、息してなくない?―――
その通りであり、屋敷の呼吸は現在止まってしまっている
このまま放っておけば、救急車が着く頃には手遅れになってしまうだろう
人工呼吸!―――
カナが屋敷の鼻をつまみ、唇を当てようとする寸前で、それを泰恒が手で制する
「…ぼくがやる」
その唇は、絶対に誰にも渡さない―――
例え、救命行為であってもだ
その為であれば、男とキスする位どうって事はない
半ば強引にカナを押しのけ、人工呼吸を始める泰恒
その手際は見事なものであり、騒ぎを聞きつけた教師達が来る頃には、屋敷は息を吹き返していた
両手で心臓を押した際の手応えから察するに、どうやらアバラは全壊しているようだ
こんな状態で死なないとか、コイツの体力どうなってるんだろう?―――
初めてのキスを男に捧げてしまった事など忘れ、屋敷の生命力に感心している泰恒
そうこうしているうちに救急車が到着し、屋敷を病院へと運んで行った
サイレンを鳴らしつつ去り行く救急車を眺めながら、泰恒がカナへと語りかける
「…いやあ、大変な事になってしまったね。カナちゃん、一人で帰れそう?送ろうか?」
実は今も、カナの脚は恐怖に震えている―――
人が死ぬところを見る事など、生まれて初めての経験だったのだ
実際には奇跡的に生きているのだが
「…うん、大丈夫。ちゃんと一人で帰れる」
教師達が親元に連絡を取ったり、事情を他の教師達に伝えたりしている喧騒の中、覚束ない足取りでバス停へと向かうカナ
「ほら、貸して?」
カナからカバンを取り上げ、その手を引く泰恒―――
「もうバスが来ちゃうよ?行こう」
産まれたての小鹿のようになっているカナが、泰恒に手を引かれて漸くその歩みを進める
丁度バス停に着いたところでバスが到着し、二人は本日の帰途に就くに至った
いつものお気に入りの席と、その隣に立つ泰恒―――
しばらくバスに揺られていた二人だが、降りるバス停に着いてもカナが立つ気配が無い
どうやら、腰が抜けた状態になってしまっているようだ
「…おいで、カナちゃん。降りよう?」
カナに肩を貸し、共にバスを降りる泰恒
自分が降りるバス停はここではないのだが、カナを放っておく事など出来なかったのだ
結局共にカナの家の玄関を潜る事になり、お邪魔しますと挨拶をする
先に帰っていた、達夫と忍が玄関へと歩み寄る
「…ひょっとして、竹田さんでしょうか?」
本日も、あと1時間少々で終わってしまいます
お休みの日って、もう少し欲しいなー、と思っているそこのアナタ
私もなんです
せめて、使える時間だけは楽しく過ごしましょう
あなたが笑ってくれていると思えたら、私が書いている時間は幸せです
では、おやすみなさい




