花宮カナ、宣言を受ける
お疲れ様でございます
いやあ、連載2つってキツいんですね
何回プロット書き直したことか
まあ修業が足りないんでしょう
それでは本日のぼくコレ、どうぞ
泰恒との距離、10㎝―――
そんな状況だが、カナの目に入る泰恒の顔は、少しぼやけている
一緒に倒れ込んだ際に、メガネがどこかに飛んでしまったのだ―――
背中と、後頭部を打った泰恒だが、自分の事よりまずカナを心配している
よかった、大丈夫そうだ
そしたら、ふとカナの顔が目に入った
なんて可愛い子なんだろう―――
泰恒に、じっと見られている
それを悟ったカナは、パッと身を起こして席に戻り、顔を伏せてしまった
泰恒も、一緒に倒れた椅子と共に体を起こし、席に戻る
「…突き飛ばしてごめんなさい。こんな事する気じゃなかったんです」
「はい、これ」
カナが落としたメガネを、泰恒が拾って差し出す
「あ…」
おずおずとメガネを受け取り、掛け直すカナ
「ぼくの方こそ、ごめんね。あんまり君が可愛いもんだから、ついやっちゃったんだ」
んんんんんんんん…
爽やかイケメンに、ナチュラルに可愛いとか言われてしまう
恥ずかしい
圧倒的、恥ずかしさ―――
カナは再度机に両手を着き、悶絶し始めてしまった
「はい、着席ー!」
教室前方の扉から入って来た担任が、学級日誌をパンパンと手で叩いて声を上げる
彼女の名前は、田島晴香―――
28歳独身、彼氏なし
そこそこ良い女ではあるのだが、荒い性格と、そこはかとないおっさん臭さが気になる女である
彼女に近づく男は、最初は我こそは、と意気込む
そして、失礼致しました、と言って去ってゆく
「はい、担任の田島でーす。今日からこのクラスを担当します。じゃあ自己紹介。1番から始めて」
数秒ほどして、教室の右、最前列の生徒の前にツカツカと歩み寄る
「お・ま・え・だ・よ。ホレ自己紹介」
アワを食ったかのように、清楚な女子生徒が立ち上がる
「…あ、有本かすみです、えと、将来ジャーナリストになりたいと思ってます。よろしくお願いします」
「ハイ、次ー」
次々と自己紹介が進み、泰恒の番となった
そういえば彼は、新入生挨拶で登壇していた男である
自然と注目も集まる
「竹田泰恒です、宜しくお願いします。そうですね…」
紡ぐ言葉を考えるフリをして、少し溜める
「今の目標は、こちらの花宮カナさんの彼氏になる事です。幸せにします」
どよめく教室―――
カナは、固まってしまった
何事も無かったかのように、着席する泰恒
カナに向かって、チョイチョイと手を振って微笑む
「そういう訳で、よろしくね」
うう
部屋にカメムシが入って来ます…
もう寝たいのに
こいつとの戦いが終わったら寝ます
おやすみなさい