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ぼくコレ  作者: M太郎
28/43

花宮カナ、誘う

お疲れ様でございます


昨今、朝晩は少し冷えるようになって参りました


冷房などは、止めておいた方が良いかも知れません

私のように、体を冷やしてしまう羽目になります


それでは本日のぼくコレ、どうぞ

それって、大丈夫なんだろうか?―――


少々不安になったカナであるが、これまでの泰恒の態度から察するに、恐らく言葉通りなのであろう


「ン。じゃあ、今まで通り普通に話すね?泰恒くんって呼んで良い?」



心の中で高々と右腕を上げ、ガッツポーズを示す泰恒―――



そう、それをこそ待っていた


下の名前呼び―――


仲良しであるという事を本人と周囲に印象づける、恋人同士への第一歩である


恐らくはこれによって、カナと泰恒の間に邪魔者が割って入る余地は無くなる事であろう



「…ぼくも、そう呼んでくれたら嬉しいよ。カナちゃんと仲良くして貰えてる気がする」



感無量―――



こうした感情を指して、そう呼ぶのであろう


念願、叶ったり―――


今の泰恒に、ここまでの人生に於ける後悔など無い



「泰恒くんって、普段は何してるの?」


自分が聞きたかった質問を、先にカナの方からされてしまった


だが、これはこれで悪くない

お互いが理解し合う事こそ、仲良くなる為には重要なのだ



大体は、勉強して寝るだけだね―――


こう答えようとして、泰恒は思い止まった


いかん、

コレ、面白くない男だって思われるかも知れない


いや、実際面白くないだろう

女子の気を引けるような要素が、何もない


何か、無いのか―――


そこでピンと来たのは、音楽である

先日カナがイヤホンを着けて音楽のPV動画を見ていたのを、泰恒はしっかり見ていた


流行りの音楽の話題とかだったら、恐らくいけるだろう


「大体は勉強してるかな。それで疲れたら、息抜きに音楽とか聴いて歌ったりしてる。玄米老師って知ってる?ぼくその人が好きで、よく聴いてるんだけど」


それを聞いたカナの顔が、パッと明るくなる

カナが聴いていたPVのその人であり、ファンである


ちなみに泰恒は、それを横目で見て知ったが故にそう言っているのであり、別に大してファンでもない



「泰恒くんは、どんな曲が好き?」


どうやら、同じ趣味―――


そう感じたカナが、興味ツンツンの上目遣いで泰恒の顔を見上げる



ンー、

その顔、たまらん―――


あと、嘘ブッこいちまった

この後どうしよう?


そんな心境の中でも飽くまで平静を装い、泰恒が答える


「今聴き込んで練習してるのは、さようならまたいつか、って曲。ちょっと高音のとこが難しくて、まだ上手く歌えてないんだけど」


嘘である―――


実はその曲を歌った事など、1回も無い


知っているだけである



「ええ、ホント?じゃ、今度カラオケ行こ?家族としか行った事無いけど。私、歌うの好き」

いかん、鼻水が


おやすみなさい

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