2-Ⅳ
「ありがとうございましたー」店員さんの声を聞きながら、お店の外に出る。
夜にもなるとかなり空気が冷たい。
「イルミネーション見に行きませんか?」
そう提案する小陽。
「良いよ」
小陽から話しかけてくれることが単純に嬉しかった。
東京の街に広がるイルミネーション。
玄にはイルミネーションと同じように、小陽が輝いているように見える。
「記念でさ、写真撮らない?」
「良いんですか?」
「もちろん、あのでっかいクリスマスツリーも写したいよね。」
「確かに、ここで入りますかね?」
「ちょっとツリーがでかすぎるかもね、入るかなー?」
「上の方が切れちゃいます」
小陽のスマホで撮ろうとしたから小陽が調整するけど、どう頑張ってもクリスマスツリーは入らなさそうだ。
「ちょっと貸して?」
小陽から玄の手にスマホが渡る。その時、手と手が一瞬触れた。
『あ、』
二人の声が重なる。
2人とも照れてしまう玄と小陽。
「はい、チーズ!」
何事もなかったかのように玄がカメラを構える。
2人の距離が近づく。
小陽と肩がくっついてやばい。
あ、俺も小陽みたいに語彙力崩壊してきた。
写真を確認すると良く撮れていた。
まるでカップルみたいだな、二人とも心の中で思ったのは読者のみなさんしか知らない事実です。
このままそれぞれ家に帰る、っていう展開は嫌だった。
だから誘ったんだよね。
「家、来ない?」
「明日、仕事あるんじゃないんですか?」
「昼からだから大丈夫。」
楽しい1日の思い出が消えてしまいそうで、それが怖かったんだ。
隣にいてほしかったんだ。
家について2人でコーヒーを飲んでいるうちに凝り固まった心がほぐれていくような気がした。
それは多分、いや絶対に小陽がいてくれたから。
俺にとって小陽はそばにいてくれるだけで良いんだよ。
今までもそうだったけど、これからも俺の傍にいて、俺の小さな太陽でいてくれますか。
結構、玄は束縛というか自分の気持ち優先にするキャラクターになってしまっています笑
一応俳優なので皆様のタイプの顔を思い浮かべながら読んでいただければと思います。
読んでくださりありがとうございます!