2-Ⅲ
「玄、」
また話しかける小陽。
「思ったんですけど、今日会えたのってすごい奇跡ですよね!」
「・・・」
「玄君?」
スースーと寝息を立てる玄。
「寝てるのかな。お仕事大変だもんね、ブランケット掛けとこう。」
30min later
「んん…、小陽?」
「はーい」小陽が返事をする声。
「あー、俺寝てた?」
「疲れてるんじゃないですか?疲れてるなら、私もう帰りますよ?」
俺の顔を覗き込みながら優しく聞いてくる小陽。
「ううん大丈夫。」
「玄、コーヒー淹れたんですけど、飲みますか?」
「コーヒー?」
「はい、あ、勝手にキッチンに入りました、すいません。」
「喉乾いてたから嬉しい。もらっても良い?」
「はい!今持ってきますね!」
小陽の淹れたコーヒーはいつも飲んでるのと変わらないのに、いつもよりおいしい気がした。
「そろそろ、ごはん食べに行こうか?」
「はい」
「着替えてくるからちょっと待っててねー」
ブランケット掛けてくれたなら、起きとけば良かったな、距離近くなるから。
あの頃の小陽は全くと言って良いほど近づいてくれなかったから嫌われてるのかなって
怖かったんだよ。
「お待たせ、ごめん遅くなった。」
「全然大丈夫ですよ!」
「この服さ、今日買ったのなんだけど、どうかな?」
「めっちゃ似合ってます!」
「本当?」
「はい!かっこ良すぎますよ!」
「誰が?」
いじわる言いたい気持ちが出て来てしまいました。
「げ、玄が。」
「よくできました。」
そう言って玄は小陽の頭をぽんぽんした。
お店は前番組でロケに来たことがある和食屋さん。美味しかったから小陽と一緒に食べたいなって思ってた。
がらがら、玄がドアを開ける。
「あのー予約してた相沢ですけどー。」
「相沢様ですね、こちらの個室になります。」
雰囲気も良くて個室があるのがこのお店のおすすめポイント。
「何食べようか?」
「玄のおすすめでお願いします!」
そう言ってふふ、とほほ笑む小陽。それ、反則技なんですけど。
「何でも良いの?そしたらとんかつにしようかなー?、それで良い?」
「はい!」
「おっけー」
とんかつと他に何品か注文する。
「玄って、とんかつ好きですよね?」
「好きだけど、、、何で知ってるの?」
「前にテレビでとんかつの話をしているのを見たことがあって・・」
「マジで⁉俺が出てるテレビ番組見てくれてたんだー。」
「見てましたよ!」
「えー小陽俺の事好き過ぎじゃない?笑」
小陽が好きとか急に言わないでって言う顔をしている。
言いますよ、好きなんだから。
とんかつは友達が好きな俳優さんが好きだったので使わせていただきました!
読んでくださりありがとうございます!