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2-Ⅰ


少し早く仕事が終わったから久しぶりに買い物をした。


家に帰っていると、見たことがある人が近づいてきた。


ずっと会いたかった人。

でも絶対気づいてないな。


そう思って、道を尋ねるふりをして声をかける。


「え?玄君!?」やっぱり気づいてなかった。


良かった、声かけて。次いつ会えるかわからないし。

あわあわしている姿が愛おしい。


愛おしすぎて、わざと玄、っていう呼び方にするって約束してたとかいうヘタな嘘をつく。


俺がただ玄って呼び捨てで呼んでほしいだけなんだけどね。


混乱している小陽をさらに困らせる嘘を言いました。笑


そんないじわるにも小陽は相手をしてくれた。


「玄って呼んでほしいんだけど?」


「えっ、無理ですよ!」


「呼べるから!」


「いや、無理です!」そんなに無理無理言わなくても良いのに。


「じゃあさ、1回言ってみようよ。練習。せーの」


「げ、玄。」


自分で言って、自分で照れて顔真っ赤にしてる小陽の姿が玄の目に入る。


「ほら呼べた。」


「いや、玄君の方が良いです!」


「今呼べたから大丈夫、できるよ。あ、今から玄君って呼ぶの禁止ね。」


玄君が良いって、なんか勘違いしてしまう。俺まで照れるんだけど。


「えー」ほっぺたを膨らませる小陽。


そんな仕草するのずるいよ。もう、可愛すぎかよ。


そんなやり取りの末に小陽は頑張って俺のことを玄って呼ぶことになったんだよね、覚えてる?



寒さが増してきた東京の街のど真ん中。


俺はこのまま小陽と別れて良いのか。


会えなくなるかもしれないのに。


どうしよう、焦る。


「今日って、これから何か用事ある?」


おそるおそる玄から話しかける。


断られたらどうしよう、メンタル持たないなって頭の中で一人焦りながら。


「何にもないですよ。大学の授業が終わって、帰ろうかなーって考えてただけなんで。」


「じゃあさ、映画にでも行かない?」


「良いですけど、、」小陽が何かを言いたそうに口を閉じる。


「どうした?他に行きたいところでもある?」


「いや、映画で良いんですけど、玄君映画館に行ったら目立っちゃうんじゃないかなーって思って。」



俺のことを心配してくれたのか。


心配してくれる人ってなかなかいないから単純にうれしすぎる。


そしてみなさん、僕は無事にメンタル崩壊を阻止しました。ありがとうございます。



小陽が心配するから、DVDをレンタルして俺の家で見ることになった。



玄みたいな人と出会いたいなと常々考えています笑


読んでくださりありがとうございます

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