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1/10

1-Ⅰ


紅葉の季節を過ぎ、落ち葉が目立ってきた。

こんな時期なのに珍しく暖かい。


いつものように仕事に向かう。場所はテレビ夕日。


今日の打ち合わせは時間が早くてまだ脳が眠っている。


主演映画の番宣を兼ねて出演する「Smile please 」の打ち合わせをするためだ。

「Smile please」という番組名の通り、毎回誰かを笑顔にできるような企画を放送している。



今回の企画は一般の方が自分の叶えたい夢を芸能人と一緒に叶えていくというものだ。


朝日を左半身に受けながら、打ち合わせが始まった。


一般の方たちが叶えたい夢の詳細をプロデューサーに説明してもらい、実際にインタビューに答えている様子を写した映像も見る。

その中から一緒に願いを叶える人を決める。


俺が決めたのは1人の女の子、「初めてのデートをエスコートしてほしい!」という願いだ。


なんてかわいい願いなんだ。


そんなかわいい願いならいくらでも叶えてあげたい。


女の子の名前は小陽。

インタビューに答えている映像を見たのが、小陽との初めての出会い。


当日。

後ろから近づいて声をかけると、俺まで驚くほどびっくりしてくれた。

話しかけると顔を赤らめて「やばい」ばっかり言ってる。

そんな反応も俺にとっては新鮮で、かわいいと思った。


小陽は改めて、自己紹介をしてくれた。


明嵐みあらし小陽。


正確に言うと本名は、「明嵐・ジェニファー・小陽」。

珍しい名前だなーと思ったらお父さんが日本人で、お母さんがヨーロッパ系カナダ人と

東南アジアの国とのハーフなんだと教えてくれた。


「私クオーターなんです。アジアの血が強くて、ヨーロッパ系彫りの深さとか鼻の高さとかが欲しいなーってよく思うんですけどね。」

小陽は笑顔でそう言った。


そして驚くべきことが1つ。

小陽はあの!(株)EaethのCEOだったのだ!


ここで(株)Earthを知らないあなたに簡単に説明しようと思う。

(株)Earthは宇宙科学研究のプロフェッショナルと一緒に地球の安全を守るために設立された会社だ。


主に地球の自転のサポート、地球の活動に異常が見られた場合の対応、銀河系の調査などだ。


もちろんこれはほんの1部に過ぎない。


日本、いや世界でも一目置かれている会社のCEOが大学生の女の子だったとは。


創業者の明嵐尚喜が病気の治療のため、社長の座を譲ったというネットニュースは見た。


だけど、こんなかわいい人だとは思ってもみなかった。

だって、CEOってい聞いたら気難しそうなおじさんっていうイメージがあったから。

凝り固まった固定概念なのかもしれないけど。


「いつも地球の安全を守ってくれてありがとう」俺が言うと、

「そんなそんな私たちは当然のことをしているだけなので。」と小陽。

なんて謙虚なんだ。


話し合いの結果、俺が「小陽」、小陽が「玄君」と呼ぶことが決まった。

本当は「玄」って呼んでほしかったけど、小陽が無理だっていうからくん付け。


まあ、後から絶対絶対呼び捨てにしてもらうけどね。


もう1つ驚いたこと。

それは撮影日の3日後が小陽の誕生日だということ。そんな偶然なかなか無いよね。


小陽の20歳のお祝い、何にしよう。何が思い出に残るかな。


まずは服を買いに行くことに決めた。


私服と雰囲気を変えたくて、小陽にはいっぱい試着してもらった。


どれも似合ってて逆に困った。


結局、俺の好きな感じのワンピースを買うことにした。

ちゃんと自分のクレジットカードでお支払いしました。



読んでくださりありがとうございます

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