昼中の怪盗
僕はチラッと教室の隅へ目をやった。
あ〜あ、またやってる。
そこにいたのは、クラスのカースト下位の男子、鈴木魁斗くんだ。
重たい印象の分厚い前髪に、四角くて厚いフレームのメガネ、ちょっと掠れた声、おまけに背が低くて、オタクっぽい。
典型的な陰キャだ。
それを取り囲んでいるのは、クラスの中心、カースト上位の女子たち。スカートを短くして、カーディガンを腰に巻いて、髪の毛を巻いて、ギリギリバレるくらいのメイクをみんなが施している。
「魁斗くんさぁ、前髪変えたらモテると思うのよねぇ。」
「そうそう。あとは、メガネもスタイリッシュなのに変えてぇ。」
など、その女子たちは“おしゃれ講座”という名のありがた迷惑を行っているのだ。
魁斗くんはぎこちなく笑って、
「やってみるよ。」
とか、
「そうなんだ、勉強になるよ。」
なんて、かすれた声で言って返しているけど、一度もそのスタイルを変えたことがない。
それにやっきになった女子たちは、毎休み時間彼を囲んで指導しているのだ。
僕はため息をついて立ち上がった。
お茶を飲み、席に戻る。
そして、お気に入りの小説を開いた。
………のだが。
………うるさい。
女子たちのわーきゃーいう声で、小説に入っていけない。
でも、魁斗くんと同じくあまりカースト上位にいない僕がカースト上位の彼女たちに意見したら………
最悪、リンチだな。
そう決断して、小説を読むのは諦め、机に突っ伏した。
しばらくしてチャイムがなり、授業が始まった。
やっと終わった!
と叫ぶのは心の中だけにしておく。
大声で言おうものなら、カースト上位の男子、特に青木さんなんかに何言われるかわかったもんじゃない。
青木さんは、かっこよくてサッカー部の首相でモテる。
とにかくモテる。
典型的な陽キャマンだ。
ほら、今も、教室のど真ん中で友達とゲームの話をしている。
僕はあまりゲームに詳しくないので、話に入ったことは一度もない。
ただの一度も、だ。
あぁもう、やっぱりうるさくて、小説を読めないじゃないか。
僕は諦めて、次の授業の予習を始めることにした。
「ただいまー。」
学校から帰ると、僕はそう言って家に入った。
「ま、誰もいない、か。」
そう言ってリビングに向かうと、
「あれ、父さんっ!?」
思わず大声で叫んだ。
「おう、おかえり、凛祢。」
リビングでソファに腰掛けていた父さんが、僕の方を見て手をふった。
「な、なんでいるのっ!?」
「おかしいか?」
と首を傾げている。
「おかしいでしょ!仕事は?まさか、リストラ………」
「シツレーな事言うな。事件が一つ片付いたから、早く帰ってきたんだ。」
「へぇ。」
僕の父さんは警察だ。
すごく優秀で、今まで多くの犯罪者を捕まえている。
「何の事件だったの?」
僕はアイスを食べながら聞いた。
「昼中怪盗団だよ。またなんだ。」
父さんはため息をついた。
「でも今回は、盗まれなかった。」
「へ?本当?珍しいね。」
───昼中怪盗団
名前の通り、昼中に活動する怪盗。
怪盗が活動するのは夜───そんな常識をひっくり返した、今日本……というか、全世界を騒がせている怪盗。
昼中怪盗団のメンバーは、誰一人として顔も名前も知られていない。
「父さんたちの警備がよかったのかな?」
僕が聞くと、父さんはニヤッと笑った。
「そうだ。………と言えるなら、格好よかったんだけどなぁ。」
顔がくしゃっとなった。
「じゃ、何で盗まれなかったの?」
「やっぱ今日はやめますって。あれで本当に怪盗かよ。」
昼中怪盗団は、子供っぽいところがあるらしい。
僕がアイスを食べ終わって、カップを捨てると、父さんが何かの写真を見ていた。
「何、それ。」
僕が聞くと、父さんは、「よくぞ聞いてくれた。」と笑った。
「今回、昼中怪盗団が狙った宝だよ。」
「へぇ。めっちゃおっきいサファイアだね。」
「あぁ。ドイツの女王様が持っていらしたサファイアのネックレスだ。今、馬渡地区の博物館で宝石展やっているだろう?そこで飾られているやつだ。」
馬渡地区って、じゃあ結構近いな。
宝石展って、そういえば、学校に案内のチラシが来てたっけ。
「今のところ、次の犯行予告はないんだが………とりあえず今日は、ゆっくりしようかな。」
父さんはそう言って、テレビをつけ始めた。
父さんが家でゆっくりすることなんてほとんどできないので、僕も文句を言わずに父さんと同じテレビを見る。
父さんは録画に溜まっていたバラエティー番組を見始めていた。
一時間弱、それを見ながら大笑いしていると、母さんが帰ってきた。
「お父さん、お帰りなさい。今日は早かったのね。」
買い物の荷物を僕に持たせて、身軽な母さんは先にリビングに入った。
僕も後ろからよたよたとついていく。
「あぁ、事件が一つ片付いてね、今日は早く帰っていいって。」
「それはよかった。今日はチーズインハンバーグにするつもりだったの!」
母さんはにっこり笑って拳を握った。
母さんのチーズインハンバーグは絶品で、僕や父さんの大好物なんだ。
「あ、そういえばね。」
母さんは料理をしながら言った。
「昼中怪盗団、今回は現れなかったんでしょ?」
「そうなんだよ。気のはり損、って感じだが、宝が守れたならそれでよしとしようかなとも思ってる。」
父さんは母さんの方を見て答えた。
「昼中怪盗団って、何人いるかもわからないんでしょ?」
「わからない。」
父さんは悔しそうに言った。
「まるでわからないんだ。手口も、何人かも、性別も、年も。何もかもが。」
「なんせ、今まで誰一人捕まったことがないんですもの、当然よね。」
母さんの言葉に、父さんは情けなさそうな顔をした。
しばらくして料理が出来上がり、僕と父さんは歓声をあげた。
「なんか、いつもより大きくない?」
僕が言うと、母さんはにっこり笑う。
「だって、お父さんが早く帰ってきたんだもの。ちょっと調子に乗っちゃって、ね。」
もちろん、美味しいハンバーグが多くて嫌だなんて考えはミジンコほども無いので、すぐにガツガツ食べ始めた。
そんな僕と父さんの様子を、母さんは嬉しそうに見守りながら、自分もハンバーグを食べていた。
「行ってきます。」
僕がそう言って家を出ようとすると、父さんが慌ただしく降りてきた。
「お父さん?ご飯は?」
母さんが尋ねるのに背中を向けて、父さんは声を張り上げた。
「いらない。昼中怪盗団から犯行声明が届いたらしい。今すぐ署に向かわなきゃならないんだ。」
それで僕は慌てて退いて、父さんが車に乗って出ていくのを見届けた。
「また昼中怪盗団なの………心配だわ。」
残った母さんが、心配そうに頰に手を当てた。
学校に着くと、魁斗くんが来ていなかった。
女子たちは残念そうに、半ば嘲笑うように、
「あ〜あ、せっかく隠キャの彼をちょ〜っとでもよくしてやろうとしたのに、逃げやがった。」
「仕方ないじゃん。あいつがよくなるわけないじゃん。」
心無い彼女たちの言葉は、ナイフみたいに鋭くて、僕宛じゃないのに自分に深く刺さった。
「こらこら、かわいそうだろぉ〜。」
そう言いながら、青木さんが女子グループの中心人物:唯さんの肩に手を置いた。
「魁斗はあれでも頑張ってるんだろうよ。目立たないようにな〜。」
青木さんがなぜモテるのか、僕には正直わからない。
こんだけ性格が悪いのに。
やっぱり、多くの人間が見てるのは中身じゃなくて外見なんだ、って思った。
その日一日中、魁斗くんがいなくても誰も気にしている様子はなかった。
「ただいま。」
今日こそは誰もいないだろうと考えながら家に入った。
思った通り、ダイニングの机の上には母さんの置き手紙がおいてあった。
『凛祢へ。
母さん、今日は帰るのがとても遅くなりそうです。冷蔵庫の中に鶏の手羽元が入っているので、オーブントースターでチンして食べてください。卵サラダと肉じゃがは自分でよそって食べてね。』
母さんは帰るの遅くなるし、父さんは今朝言ってた【昼中怪盗団】の捜査があるから絶対と言っていいけど今日は帰ってこない。
あ〜あ、家が静かだ。
僕はそう思いながら、とりあえずテレビをつけた。
ニュースでもいいから、とりあえず音を聞きたい。
ソファに寝っ転がって目を閉じる。
ゆっくりと息をしているうちに、眠り込んでいた。
「ふぁ〜あ。」
口から声が漏れた。
僕はむっくり体を起こす。
「今何時?」
僕は自分に尋ねながら、時計を見た。
「げ、もう七時じゃん!」
そう叫んで、慌てて手羽元をあっためる。
もう七時だし、そろそろ面白い番組やってるんじゃないのかなぁ。
そして、つきっぱなしだったテレビのチャンネルを変えた。
ちょうど、面白いバラエティー番組をやっていた。
それを見ているうちに手羽元がうまいように焼けて、皿に盛った。
肉じゃがもちゃんと温めて、器に盛る。
炊けているごはんをたっぷりとお椀によそってから、上に卵ふりかけをかける。
椅子に座って、手を合わせ、「いただきます。」と言った。
あ、そういえば、手を合わせるときに音を立てちゃいけないんだよね。
なんでか知らないけど、給食の時の放送でやっていた。
ゆっくりと肉じゃがを口に運び、咀嚼する。
醤油の風味が口に広がった。
ふっくらと炊けて光り輝くごはんを大きく口を開けて頬張る。
もぐもぐ、ごきゅん。
ん〜、おいしいっ!
お腹空いてたから、余計にっ!
僕はもともとよく食べる方だが、基本学校ではとてもゆっくり食べるようにしている。
早く食べ終わると、絡まれる確率が高くなるのだ。
僕は二十分ほどで食べ終わると、お風呂に入ってシャワーを浴びた。
出てくると、今度はテレビではなく、パソコンを立ち上げる。
「よっし、やるぞ!」
と自分に言い聞かせ、【昼中怪盗団】について詳しく調べてみることにした。
数十分、パソコンをいじると、
「あ〜あ!」
と僕は投げ出した。
僕は基本、電子機器の扱いが苦手ではない。
父さんに頼まれてちょっと事件の捜査の手伝いをしたりもする。
ハッキングとかもできないわけではないし、コンピューターウイルスに対抗するソフトだって作れないわけじゃない。
それに、そういう大会で優勝したことだってある。
それでも作らないのは、目立ちたくないからだ。
そんな僕でも、【昼中怪盗団】にはただの一件も検索情報が出てこないし、僕は頭を抱えた。
「もういいや、寝よ。」
僕は自分にそう言い聞かせ、歯磨きをしてベッドに潜り込んだ。
次の日、つまり今日も、魁斗くんはこなかった。
それでもみんな気にしていなくて、それどころか、
「あ〜あ、今日も来なかった。せっかくいいの持ってきたのに。ま、あいつがいくらどうこうしたところで、かっこよくなることはないだろうけど。」
なんて、嘲りの言葉も聞こえてきた。
僕はそんなみんなが嫌になりながら、一日中極力目立たないようにして過ごした。
「ただいま。」
家に帰って、今日も今日とて人がいない。
自分のスマホを見ると、お父さんから一件、メールが来ていた。
『今日、昼中怪盗団の犯行予告が出たので、美術館には近づかないように。』
うちの近くで美術館なんて一つしかない。
忙しい中、そんなメールしていていいのかと突っ込みたくなるも、僕のことを考えてだと思い、黙っておくことにした。
『は〜い。』
と返信して、ソファに倒れこんだ。
あれ?
昼中怪盗団って、昼中に盗むから昼中怪盗団じゃなかったっけ?
そんなことを考えているうちに、すやすやと寝息を立てて眠ってしまった。
「ふなぁっ!」
自分の奇声で目が覚めた。
「今何時?っていうかこのくだり昨日もやった……デジャヴ……」
そう呟きながら時計を見て、
「あ、六時。まだなんとかなるな。」
と言った。
メールを見ると、母から、
『冷蔵庫の中にご飯入ってます。チンして食べてね。』
というメッセージが届いていた。
「今から食べま〜す。」
と言いながら、
『わかった。』
と返信しておく。
鶏肉の照り焼きやサツマイモなど、僕の好物が並んでいる皿をチンしている間、器にごはんを盛る。
アッツアツになった皿と器を持って、自分の席について、ゆっくり、音を立てないように手を合わせる。
「いただきます。」
そして、ガツガツと頬張り始める。
数分後、食べ終わる。
「お腹いっぱい!」
と言いながら、学校の宿題に手をつける。………つけようとした。
「あれ?」
声を出して、スクールバックを漁る。
「え?」
カバンをひっくり返して調べる。
「え〜っと?」
ないなぁ。
数学のノートがないぞ?
アレェ〜?
「隠れてないで出ておいで〜。」
なんて言って見るけど、多分っていうか絶対に無駄。
「困ったな………」
もう六時五十分だ、学校に取りに行くには遅い気もする。
いや、大丈夫、かな?
僕は考える。
休日明け、一人で先生に宿題忘れた報告しに行って、スクールカースト上位たちに見られるのと、今学校に行くのと、どっちがマシだ?
───今行ったほうがいいな。
そう結論づけて、スクールバックを持って立ち上がり、家の鍵と自転車の鍵をポケットに滑り込ませて家を出た。
「はぁ、はぁ………」
息が苦しい。
なんせ、家から学校まで自転車で全力疾走だからだ。
自転車を停めて、緊急用出入り口から校舎の中に入る。
靴を履き替えるのももどかしく、階段を駆け上がった。
「なんで3階なんだよ………」
そう呟きながら。
教室に着いて、自分の机の中を漁ると、
「あったぁ〜!」
と歓喜の声を漏らした。
「ぁ〜、疲れたぁ。」
自分の席に腰掛ける。
椅子を傾けてグラグラさせていると、教室の隅に信じられないものを見た。
「魁斗、くん?」
今日、学校休んでたはずじゃ………
それ以前に、なんでこんな時間に学校にいるの?
教室の隅の自分の席に座っていた彼は、僕の言葉に答えず、教室の大きな窓の方へ歩いて行った。
もしかして、自殺する気かもっ!
「ねぇ、魁斗くん、ちょっと。」
僕が呼びかけて彼の服の袖を掴むと、彼はこっちを向いた。
いつも通りの重たい前髪に、分厚いフレームの眼鏡に、暗い瞳。
なのに。
なんだか、背筋がぞくっとした。
「魁斗、くん?」
僕がもう一度尋ねると、彼は窓枠に飛び乗った。
窓枠は木で出来ていて、結構幅があるので、バランスを崩すなんてことは少ないだろう、けど………
「危ないよ、降りよう、魁斗くん。」
そう呼びかけると、魁斗くんはにっこり笑った。
彼が笑った顔を見たことがなかったので、目を丸くした。
そして彼は───
自分の顔をファッと撫でた。
「───え?」
彼の顔は、まさしく陰キャ、という顔ではなかった。
彼の顔は、何もかもが変わっていた。
まず髪の色が変わっていた。
黒ではなく、少しピンクがかった金髪で、天使の輪ができている。
それに、目の色も。
黒じゃなくて、淡いピンク色。
それを長くて柔らかなまつ毛が縁取っていて、とてもカッコいい。
そして、雰囲気が。
陰キャではなく、どちらかというと陽キャっぽくて、自信に満ち溢れているような、そんな姿。
それでも、身長や色の白さは全く変わっていない。
「あの、魁斗くん?どうしたの?」
僕が恐る恐る聞くと、彼は眼鏡を取りながらにっこり笑った。
───真っ赤な唇が歪んで、少し空いた唇の間から鋭い八重歯がのぞいて、少し見とれてしまった。
「君を、スカウトに来たよ。」
声も、かすれ声じゃなくて、澄んでいて楽しそうで、聞くものをみんな虜にしてしまうような声。
「スカウト?」
僕が聞き返すと、彼は笑顔を崩さず、後ろを向いて空を見上げた。
「君に、昼中怪盗団に入って欲しいんだ。」
「は?」
どういうこと?
っていうか、それってつまり………
「魁斗くんは、昼中怪盗団の怪盗なの?」
僕が聞くと、彼はこっちを向いて頷いた。
「うん。そうだよ。」
「でも、僕の家は………」
僕が、父さんが警察だということを告げようとすると、彼はクスッと笑った。
「知ってるよ。君のお父さん、警察なんだろ?」
「なんで知ってるの?」
「当然だろ?自分が侵入するところの警備をしている人間のことは調べてる。そうしたら、君の情報が出て来たんだ。………君は、ハッキングが得意なんだってね。」
!
体がびくんと震える。
なんで、それを……!?
というか、僕がハッキングが得意だってことを知ってるってことはもしかして、あの人のことも知っているのか?
「そう身構えないでよ。そんなつもりじゃないんだ。ただいま、うちには電子機器系の操作が完璧な人間が不足していてね。」
彼は窓枠に腰掛けた。
「ね、どうかな。」
彼は微笑んだ。
「今日、事件を起こしたばかりだろう?大丈夫なのかい?」
僕がゆっくり聞くと、彼はふふふ、と微笑んだ。
「なんのために事件を起こしたと思ってる?君をスカウトするため、君のためなんだ。」
彼が楽しそうに言うので、僕はさっきの疑問の答えがわかった気がした。
『昼中怪盗団が、今日は昼中に事件を起こさなかった理由。それは、できるだけ長く警察の注意を別のところに向けさせるため。』
「それにね。」
魁斗くんはクスッと笑いながら僕に補足説明をした。
「警察が一番油断するのは怪盗団のだれかを捕まえたときだ。そうじゃないかい?」
「それって、だれかを囮にしたってこと?」
「まぁね。でも、怪盗団のメンバーじゃない。宝石を守っていた警備員さんに、身代わりになってもらった。ま、警察が優秀ならすぐにメンバーじゃないってバレるだろうがね。」
そして、彼はファっと髪をかきあげた。
それから、ずっと無言で僕を見つめてくる。
「僕は………」
僕は目を伏せて考えた。
「あのね、凛祢くん。」
悩んでいる僕のほおを、魁斗くんが両手で挟んだ。
「僕らがやってるのはただの犯罪行為じゃないんだ。僕らがやっているのは、ある崇高な目的のために行っていることなんだよ。」
その彼のピンク色の瞳のきらめきがとても綺麗で、目を奪われた。
「どうかな、凛祢くん。」
彼のピンク色の瞳と、差し出された真っ白で美しい手に、誘うような美しい声。
それに何より、僕の心がスリルを求めていた。
僕はゆっくりと腕を伸ばして、彼のその手をとった。
「ありがとう。」
そう言って可愛らしく微笑むと、立ち上がって、満月をバックに手を広げた。
「ようこそ、昼中怪盗団へ!」
ワクワクして、ゾクゾクして、スリルが僕を待ち受けている!という気がした。
そして彼は、腕を伸ばして天を指差した。
「僕の名前は竹原怪斗!昼中怪盗団の団長である!」
と、高らかに宣言して。
読んでくださってありがとうございます!!
初めて短編を書いたので、ちょっと長いです。(短編とは)
アニメイト耳聴き1のテーマの、『人が読むと魅力が増す作品』みたいな意味のところが難しかったけど、魁斗の声の魅力的なところとかはやっぱり人が読んだ方がいいと思うので、応募してみることにしました。
さて、もしこの話が好評なら、『少年陰陽師』と並行して連載になるかも……?
その場合、最初に並行して連載しようとしていた方はしばしお預けになります、お許しください。
ポイントやレビュー、感想などお待ちしています。
それではまたお会いしましょう。




