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糸魔術師の日常  作者: 3号
40/51

デリカシーって大事よね

「お呼びたてして申し訳ありませんわ。こうでもしないとお会いできなかったので」

「なんか大変だったの?」

「渦中の方が何言ってるのですか」


よく言われた意味がわからなかったので首を捻っていると、背後のメイドさんが「誘拐事件のことですよ」と耳打ち。


「んー……え、まさかアレの件で外出制限とか?」

「全く、面倒です」


当たりらしい。でも、なぁ……。


「要らんでしょ? 外出制限」

「そうですわよね、だって」

「だってユーリだよ? 危険? いやいや相手のが危険でしょ」

「おい」


ユーリの額に青筋一つ。微かに舞う砂埃。しかし来客は気がつかない。


「警戒なんてするだけ無意味だと思……あれ、なんで砂……やっば!」


やっとユーリの様子に気がついたエグジムが急いで糸を操るが、頬を引き攣らせたユーリの方が幾分早かった。


「誰が……誰が誘拐犯以上の危険人物ですの!!」

「ふべしっ!」


砂を纏い迫る拳。何とか糸で作った壁を間に挟むが急増品では心もとなく耐えられない。ここでエグジムの幸運だった点は自分の全面だけでなく周囲を囲むように糸を展開していたことだろう。このおかげでエグジムは命を繋げたと言っていい。

ユーリの拳はその潤沢な魔力と幼少期からの訓練による魔力操作能力。それらの基礎力が底上げする身体強化能力自身の魔術である「砂」による強化の重ねがけにより、並の魔法以上の威力を誇っている。

簡単にいうなら女子の細腕と思っていると普通に死ねる。

そんなユーリの拳が咄嗟に編んだ糸の防壁ごしにエグジムの顔面を直撃し。そのまま応接室の壁へとエグジムの体を吹き飛ばした。顔面の防壁はその一撃で形を保てなくなり崩壊。エグジムの顔面もダメージはゼロとはとても言えなかった。

ダメージがあるのはエグジムだけではない。応接室もだ。吹き飛んだエグジムをまともに受け止めた壁には大きなクレーターができ、着弾時の轟音で部屋の外が騒がしくなっている。


「お嬢様! 入りますよ! 何ですか今の轟音……は…………」


途端に警備の兵士が部屋に流れの混んできて、クレーターができた壁に寄り添い立ちあがろうとしていた男性を見た瞬間に納得といった表情。確保という名の保護をする。


「しっかり! 生きてますか!?」

「う、はい……大丈夫です……」

「凄いな!? 伯爵様以外にあの拳で吹き飛んだのに耐えるどころか気絶もしてないなんて……っと。それは後だ後! 流石に休ませないと……ベットの準備を!」

「はい!」


扉の外から室内の様子をうかがっていたメイドさんに指示をした騎士の男。ついでユーリに向き直り一言「正座」と。ユーリが「あっ……」といって呆けた顔をしたのを騎士は、否、ユーリの兄は見逃さなかったのである。

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