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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
三章黒鉄聖也暗殺編
49/49

存外

 

 現在聖也は暗い部屋に手足の自由を奪われて監禁状態だった。現在聖也には国家反逆罪、わいせつ、殺人の容疑がかかっている。遊園地の一部の出来事をたまたま目覚めた一般客に見られてしまったらしい。そのおかげで現行犯で逮捕されてしまった。

 聖也は逮捕されてから何時間がたったのか全く分からなかった。部屋は薄暗く、壁や床などは掃除されてなく、あるのは聖也が縛られているイスとこれもまたひどく汚いトイレしかない。窓はついてなく太陽が昇ったのか沈んだのかわからない。

 逮捕されてここ、アルミド帝国軍本部基地に連れてこられた。アルミド帝国にはしっかりと留置所や刑務所があるのになぜか軍のしかも本部だ。聖也はこの疑問にある程度自分で答えを出していた。これは多分聖也だからだ、もっと言えばヒューマンだから。どちらとも今回の答えだ。この世は実力が全て種族ランキングは圧倒的な弱種。だからこの世はヒューマンにとって圧倒的に生きずらい世の中だ。同じ罪をエルフが犯してもここまではしないだろう。そしてそんな嫌われるヒューマンが他の種族よりも強くなったら他の種族はとても腹が立つ。今まで見下していた者に逆に見下されるのだから。だから聖也はここに連れてこられた。気に食わないものを静かに始末するために。


「おい!底辺種族出ろ!」


 ドアの向こうから帝国軍の軍人が聖也を怒鳴りながら呼ぶ。これから事情聴取だ。ここに来てからこれで四回目だ。気に食わないから始末するけど力の秘密は欲しい、なんとも傲慢な奴らなのだろうか。

 場所はさっきよりも広い部屋、いや部屋の壁に掛けてある物騒な器具を見る限り拷問部屋なのだろう。そこに聖也は上半身を裸にされて両手を縛られ上につるされる。


「今回の犯人はお前なんだろ!いい加減吐きやがれ!」


 ドワーフの軍人が聖也にこれで何度目かわからないほどに言ったセルフをまた言った。


「何度でも言うが、俺は何も罪を犯してない。逆に俺は一般人を救った方だ」

「またこのゴミは目に見えた嘘を言いやがって!」


 ドワーフの軍人は手に持っていた、ところどころ鋭い針がつけてある鞭を一切の手加減なし、ドワーフのフルパワーで聖也に鞭を振るう。


『ヒュッ!!バチンッ!!!!!』


 まるで風船が割れたような、耳がキーンとなるような音が部屋全体に響き、聖也の体には鞭でつけられたみみずばれと針でつけられた刺し傷や切り傷がどんどんとつけられていく。ついには血も出てきてそれを見てもドワーフの軍人は鞭を振るうのをやめない。


「はぁはぁはぁ」


 あれからほぼ休みなく五分ほど鞭を振るったドワーフの軍人はやっと一息ついた。ずっと鞭を受けていた聖也は血をだらだらと壁や床に散らしながらいかにも瀕死の状態だが。顔はなんとも平気そうな顔をしている。普通これだけすれば一般の人は下手をすれば死んでいる、最低でも意識を失うというのに聖也はドワーフの軍人の目をずっと睨んでいる。


「満足か?身動きが取れない者をいたぶるのがそんなに快感なのか?そうだというならばお前は俺が思っていた以上のクズだな」

「黙れこの底辺種族が!いいからさっさと罪を認めて、お前がそこまで強い理由を話せ!」

「なぜ俺が強いとわかっていてそんなことをするのか。これぐらいで俺は縛られない、すぐに抜け出してお前を殺すことだってできるんだぞ。力の差が分からない奴ほど弱い者はいない」

「黙れー!!」


 図星を疲れまた鞭を振るいだす。それでも聖也の心は折れない瞳は輝いている。


「この化け物が!もういい!上からは情報をありったけ出させてからとの命令だったが、殺す!」


 ドワーフの軍人が聖也の心が死んでいないとわかるや、鞭を投げ捨てて壁に掛けてあった曲刀をもって聖也に近づく


「おお、おお図星を押されてついには殺しに手を付けるとは、俺の中でお前がどんどんと下に落ちていくぞ」

「お前が見る俺の価値なんてどうでもいいんだよ!いいから死ねー!!!!!!」


 曲刀が聖也の首めがけて振るわれ、聖也は首に『圧縮』で作った空気の壁を盾がありにして、やり過ごそうとしたが。聖也の行動は無駄に終わった。


「そこまでです」

「っ!!」


 さっきまで聖也とドワーフの軍人以外誰もいなかったのに、いきなり女性が現れて聖也の首にめがけて振るわれた曲刀を素手で掴んで止めた。


「おっおい!お前!一体どっから入ってきやがった!ていうか誰だ!」

「私ですか?私は・・・」


 聖也はその人物を知っていた、こんな滅茶苦茶な出方をして、アルミド帝国魔法学園の教師バッチをつけて、エルフでは珍しい金色の瞳をしている人物。


「私は校長です」

「はぁ?!ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!」


 どうやらこのドワーフの軍人は頭に血が上りすぎて状況をしっかり判断できないみたいだ。


「邪魔するなら、お前事、殺すだけだ!」

「はぁ、さっきから騒がしい人ですね『ジャッジメント』この男はこの世から消えさる」


『パッ』


 ドワーフの軍人が校長事巻き込んで改めて攻撃しようとしたとき、校長が何か魔法を唱えた瞬間ドワーフの軍人は曲刀だけを残していきなり消えた。


「・・・・相変わらず。化け物だな」

「ふふふ、化け物からそんな言葉をもらうとは嬉しいな」

「いやいや、あんたの方が俺なんかより圧倒的な化け物だよ。校長、いや、アルミド帝国ナンバーワン実力者ヘキサ・トワイライト」

「その名で呼ばれるのはあまり好きではない、校長と呼べ」


 聖也の前に現れたのは校長であった。なぜいきなりここに来たのか、どうやってここに来たのか、ドワーフの軍人はどうなったのか。校長の登場により黒鉄聖也の物語はさらに加速する。

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