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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
三章黒鉄聖也暗殺編
47/49

本性

 

「んっん~、あれ私・・・・」


 太陽の光に反応して、シャーロットは目が覚めた。シャーロットはまだ記憶が完全に戻ってなく、自分がなぜ倒れいたのか考えた。


「確か今日はみんなで遊園地に遊びに来て、そして一休みして先に聖也と幸雨が遊びに行ってその後・・・・・っ!そうだ、すぐに私たちも聖也の後を追おうと思ったら、いきなり体に力が入らなくなってそして・・・・」


 記憶を思い出すことに成功した。そして体は勝手に動き出して自分が考えていることとは違う行動をして、自分の体がどんどん乗っ取られていくのが分かった。ついには顔やあらゆる動きができなくなり、そのまま体が勝手に動き到着すると聖也と知らない女性が何やらただならない雰囲気でにらみ合っていた。

 するといきなり聖也がその女性に向かって行ったと思ったら、なぜか聖也に向かって魔法を撃って聖也を攻撃した。


「そうだ私、聖也を攻撃して・・・・、聖也っ!」


 曖昧だった記憶が戻り、シャーロットは急いで聖也を捜し始めた。

 シャーロットの周りにはたくさんの人が倒れていた、これも聖也と戦っていた女性のせいなんだとシャーロットは確信があったわけではないがそう思った。シャーロットが通る道にはたくさんのクレーターがあった、これらは全部シャーロット達が作ったものだ。こんな攻撃を聖也はずっと避け続け、なおかつ一般人に当たらないようにしていた。

 だがこんな景色の中で一番変わったのはなんと言っても、塵一つも観覧車がなくなったことである。あんなに大きな観覧車がシャーロットが気を失っているうちに消えてしまったのだ。この景色を見てシャーロットはこんなことをやるのは聖也しかいないと、足を速めた。

 数分間遊園地内を捜していると遠くで目的らしき人物を見つけた、この世界では珍しい真っ黒な髪を持つ人物を。


「聖也~!」


 シャーロットの声が聞こえたのか、聖也はこちらを振り返った。その姿を見てシャーロットは手を振りながら近づいていき、聖也も手を振り返した。


「っ!」


 思わず振っていた手を止めてしまった。聖也の人ではないその真っ黒くゴツゴツとした禍々しい腕に驚いて。


「シャーロット無事意識が戻ったんだな、よかった」

「うっうん・・・」

「他の奴らは?」

「あっ・・・あんたを捜すのに忘れてたわ」

「なに?だったら急いで迎えに行くぞ」

「うん・・・・」


 曖昧な返事しかシャーロットはできなかった、その腕を見て近くで倒れている無残な姿の女性を見て聖也がどれほどの死闘をしたか。そして隠しているようだったがシャーロットにはわかった、今の聖也はかなり無理をしていると、今にも意識を手放しそうなのに、立ってることもできないのに聖也は倒れている女性とネルを連れて歩き出した。


 その後のことはただただ騒がしかった、サテラたちのところに行くと三人とも意識を取り戻して記憶もしっかりとしていて、聖也を見つけるなり三人とも聖也に一斉に抱き着いた。サテラとエミリーだけは抱き着いた後聖也の腕、抱えている女性を見て抱き着くのをすぐにやめた。ただ幸雨だけがずっとギュッと抱きしめていた。

 サテラたちと合流するとすぐに移動を開始した。さすがに腕をそのまま出しているわけにはいかないため、落ちていたテーブルクロスを拾って右腕を隠すように羽織って家に帰った。


「ただいまー」

「ただいま-!」


 聖也は家に帰ってくるなりそう言ってそれに続き幸雨もそう言って家の中に入った。シャーロット達はずっと無言だった。

 帰ってきて一番最初にしたことは背負っているヴィーネをロープでばって身動きを取れなくして押し入れにいれた。姿は酷いものの気を失っているだけだった。そして一段落したように聖也はリビングの床に崩れるそうに座った。


「聖也っ!」


 その姿を見てシャーロットが手を貸そうと思ったが聖也が手のひらをシャーロットに見せて断った。


「まあ、なんだ、お前たちが俺に気を使っているのはわかるがそんな心配するな」

「心配しますよ!どう見てもボロボロじゃないですか!」

「・・・主人何があったか話してくれる?」

「聖也、私たちはあんたがとっても心配で心配でたまらないの。だからもうこんなことは・・・・」


 三人の言葉を聞き聖也は覚悟を決めた、いやもう覚悟は決まっていた。


「・・・俺は今回の戦いでお前たちが俺にとって、どれほど大きな大切な存在なのかがよく分かった」

「「「っ!」」」

「だから今後お前らには隠し事は一切しない、今回の事もそして俺の力のことについても」


 大きく一呼吸して、聖也は話した今回のこと、そして自分の体に宿っている悪魔のことを。


「まず言っておきたいのが、俺の体には悪魔が宿っている。こいつは俺がヒューマンの街を襲われた時に召還した悪魔だ。名前はギゼル、シャーロットとサテラは一度こいつの声を聞いたな?」



 シャーロットとサエラだけは一度だけギゼルの声を聞いたことがあるのだ、まだ合って日が浅くサテラの家族を助けるためにクエストに行った時のことだ。


「おいギゼル、もう隠れなくていい自己紹介でもしろ」


 聖也がそう言うと右手の甲の部分から紋章が現れた。


『そうか、主よついに我のことを話すと決めたか』

「その声、あの時の」

「悪魔とかなんとか教えてくれた」


 ギゼルの声をシャーロットとサテラは聞いたことがあった、クエストの時聖也にギゼルのことを聞こうとしたが丁度モンスターが現れてそれ以来話す機会がなかった。


『それでは改めて自己紹介をしよう、我の名はギゼル。悪魔なり、主、黒鉄聖也に召還され契約を結んだものだ』

「えっじゃあもしかして、今までの力は全部そのギゼルさんが?」

「いいや、ギゼルはただ力を与えてくれるだけだ、体力、身体能力、魔力は全部俺一人のものだ。ギゼルの力を使っているときはこんな風に右手の甲に紋章が浮かび上がる」

「「「・・・・・・」」」


 少しでも聖也の力は、ギゼルによるものだったならと考えた三人だったが、聖也が化け物だったのは元からだった。


「それで主人はなんでそのことを言わなかったの?」

「そんなのこんなことを言えば、みんな怖がっていなくなるからだよ。だってそうだろ?不気味なものはどうしたって怖い。俺だって未知のものは怖い、お前らだって今の俺を見て怖いだろ?」


 聖也は自分の人の腕ではなくなった腕を前に出した。


「「「怖くない」」」

「・・・・・・・」


 それが三人の答えだ。思わず倒れそうになった聖也だった。


「はっ?なに?怖くないだと?」

「そうよ別にあんたが悪魔宿してるからってどうして怖がらなくちゃいけないのよ」

「そうですよ、黒鉄君は黒鉄君ですよ」

「主人は怖くない」


 怖くない、その言葉が聖也の心に深々と刺さる。


「てか、訓練の時の聖也の方が私にとってめっちゃ怖いんだけど」

「あと、キレた時とかですね」

「調子が悪くて不機嫌の時も」


 そう言って笑いあってる三人が聖也の目には輝いて見えた。


「だからさ、あんたはそんな・・・・えっ?」

「ん?どうした?」

「どうしたって、あんた」

「だから、何だって」

「なんで()()()()()()

「・・・・・・」


 聖也は目の前がば焼けていることに気が付いた。目から篤い何かが流れている。


「何言ってんだよ、これはただのあれだ、あくびの涙だよ。こうやって拭けば」


 聖也は服の裾で目元をこするが一向に流れが止まる気配はない。


「あれ?おかしいな?止まらないぞ?なんでだ?」

「聖也・・・・」

「黒鉄君・・・」

「主人・・・」

「なんで止まらないんだよ!」


『バッ!』


「っ!」


 あまりのことに苛立っていた聖也を、シャーロット、サテラ、エミリーはギュッと三人で優しくそして力ずよく抱きしめた。


「あんたは今までずっと一人だった」

「親御さんと別れた後もずっと一人でしたもんね」

「・・・主人寂しかった」

「そのあまりにも桁違いな力に、周りから怖がられて」

「ヒューマンと言うだけで罵倒されて」

「孤独だった」

「だからあんたは心のよりどころとして私たちを手に入れた」

「私やシャーロットちゃん、エミリーちゃん、そして幸雨も」

「みんな主人が求めた」


『お前は今日から俺の家族だ』

『俺の奥さんになってくれ』

『やっぱりお前も俺の奥さんになってくれ拒否権はない』

『俺はお前を訓練の相手にするって決めたんだ、嫌だと言っても絶対になってもらうからな』



 そう今まで聖也は全部自分からしか何かを求めていない、相手から来ないことを聖也はわかっているから。


「だからそんなあんたに」

「黒鉄君に」

「主人に」

「「「言ってあげる」」」


 涙がさらに止まらあくなり鼻水まで出て来る。


「「「どうか、私をそばに置いてください」」」

「ううっ・・・・・」


 初めて相手から言われた、求められた。自分が求めることがあったとしても、絶対に求められないと思ってたのに。息が苦しい、呼吸をすれば声が出そうだ、弱い自分が。だがもう我慢しなくてもいいのかもしれない少しくらい弱い自分を見せても。


「ああ・・・くっ・・・よろしくっ・・・・頼む」


 それは聖也にしてはとても弱弱しい声だった。だがその声を聞いて三人は聖也はやはり人だなと確信した。

 聖也は一晩中泣いた。


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