刺客
「ねえねえセイヤ、今日さ遊びに行こうよ!」
そんななんとも軽いノリでネルが聖也に絡んできた。
「・・・・・・」
「ねえ~セイヤ」
「・・・・・・」
「セイヤ~」
「・・・・・・」
「セイヤセイヤセイヤセイヤ」
「だあ~!うるせー!」
ゴツンっとネルの脳天に聖也の一撃が落ちた。
「痛った~!何するのさ!」
「黙れ!昨日から近くでワイワイワイワイ、俺は言ったよな!お前とは親しくするつもりはないって!なのになんでお前は近くにいるだけじゃなく、俺の家に住み着いていやがる!」
「まあまあ聖也私も止めに入ったんだけど、ネルったら一度すると言ったら岩みたいに動かないんだもの。だから諦めなさい」
「主人、今更一人増えたところで問題はない」
「黒鉄君はもう少し広い心で見てあげてください」
「ネルおねえちゃんいじめたらダメだよパパ?」
「なぜ俺が悪いみたいになってんだ・・・・・」
登校、聖也は訓練とはまた違って体力が減っていく。
「ふふふふそういう訳だから、さあ!遊びに行くぞセイヤ!」
「・・・・・・」
聖也の頭は回転する、もしも今ネルの要望を断ったら・・・・
『ええ~セイヤのけち!いいじゃん今日ぐらい!ねえセイヤ!セイヤったら!セイヤセイヤ・・・・・』
このようにネルのうざさがさらに増す。そんなことになれば訓練への影響も考えられる・・・・
よって聖也が出す答えは一つ。
「はぁ~~、・・・・・・今日だけだからな」
「やったー!セイヤとお出かけ!・・・いや!デートだー!」
「なんでもいいから、どこへ行くんだ・・・・」
「うーんとね~?それは・・・・」
「「「ちょっと待ったー(待です)!」」」
テンションが上がって興奮していたネルに聖也の二人の奥さんと奴隷が口を挟んだ。
「なんで二人きりなのよ!」
「そうですよ!もちろん私たちも同行します!」
「主人のそばにいるのは奴隷として当たり前」
「幸雨もいきた~い!」
「なんで~、これはあたしとセイヤのデートなんだから邪魔しないでよ!」
またも面倒なことになった、聖也はこめかみを抑えて事態の収集をした。
「それじゃあみんなで行くから、はい決定、これ以上の回答は命がないと思え」
「セイヤでも・・・・・」
「ンん?」
「すいませんなんでもありません、なのでどうかそのマジな目はやめてください」
聖也の意見に反論しようとしたネルだったが、聖也の本気の目を見て一瞬で口をチャックした。
そういう訳で朝から騒がしく大変疲れた体で授業を受けて放課後、聖也達は遊園地に来ていた。
アルミド遊園地、アルミド帝国最大の遊園地、マシーン、絶叫、アクティビティこれら全てを合体させ組み合わせたまさに夢のような場所、アルミド帝国の経済を支える一つである。
そして黒鉄聖也はその遊園地のゲートの前で一人で待っていた。
「・・・・なんで俺は一人であいつらを待っているんだ」
授業が終わって早速遊園地に全員で向かおうとしたが、聖也以外はみんな、『用意してくる!』と言い残して幸雨も連れてどこかへ行ってしまった。
取り残された聖也は追いかけようとしたが女性陣の視線(威圧)を浴びて、仕方なく一人で向かったのだ。
そして現在。
「まだか・・・あいつら遅いな」
聖也がいい加減待ちつかれたと思っていた頃、遠くから何か歓声のような声が聞こえた。
遠くで何かイベントでもやっているのだろうと無視をしているとその完成はどんどん近づいてきて、聖也の目に驚くべきこと、精神には非常に残念なことが目の前に広がっていた。
「すいませんが通してくれますか!連れが待っているんですよ!」
「あああすいません、通してください~」
「・・・・・・斬る」
「まあまあ!落ち着いてよエミリー!コラッ!速くどかないと死んじゃうよ!」
「パパまだ~?」
聖也はあまり気にしたことはないだろうが、聖也の周りには美少女たちがたくさんいるのだ。
一人の時は声をかけられることなくただ見られるだけなのだが、それが五人(子供一人)もいればこんな風になるのはまさに必然である。
しかし聖也はこの五人が目立つことはどうでもいいのだが、厄介なのが・・・・
「あっ!聖也!待たせたわね」
「黒鉄く~ん助けてくださ~い」
「主人発見!」
「セイヤ会いたかったよ!」
「パパ~!」
五人は聖也を見つけるなり全員聖也の周りに集まってきた。
そしてこの五人を一度は見ようとついてきた人の割合は九割男性であるだから・・・・
「誰だ貴様はー!」
「我々の天使たちを奪っていいと思っているのか!」
「そんな男よりも僕の方がいけてるし金もあるわよ!」
「死ね!とにかく死ね!」
まあこうなる、聖也は男性九割その数およそ二百人の殺気を一人で受け止めた。
聖也は空気を読めないわけではないのですぐ帰る用意をした。しかし聖也の両腕を美少女たちは掴み中に入っていった。
聖也達が入っていく姿を見た人たちはみんなお金を出して遊園地に入った。その中に一人頭からフードを被った人物に気づいたのは誰もいなかった。




