笑劇
「何してるんだネル」
聖也は飛び込んできた人物ネルに話しかけた。
「聖也なんで避けるんだよ!」
「質問してるのはこっちだ」
「ひどいよ!怪我したらどうすんの!」
「あんなスピードで飛び込んできたお前が悪い」
「そんな!聖也の意地悪!」
「うるさい!いい加減俺の質問に答えろ!そしてシャーロットをいい加減話してやれ」
「あ・・・・」
本当は聖也に飛び込む予定だっが、聖也はシャーロットを身代わりにして回避したのだ。
ネルが「そういえば・・・・」とさっきからギュッと抱きしめているシャーロットに目を向けた。
「ごめん忘れてた、大丈夫?」
「・・・・」
「おーい」
「・・・・・」
「ん?」
何度呼び掛けてもシャーロットから返事がなく、不思議に思ったネルはシャーロットをよく見てみると、ネルは頭に雷が落ちたような感覚がした。
「あ・・ああ・・・」
「どうしたネル?」
「シャーロットが・・・シャーロットが・・・・」
「シャーロットがどうかしたのか?」
「シャーロットが息をしてないんだよ~~~‼」
「「「ええええー‼」」」
あまりの衝撃の言葉に普段あまり大きい声を出さない聖也でさえ声を上げてしまった。
「てめえ!なんてことしてやがる!」
「ああああごめんなさい!」
「二人ともそんなことを言ってないでシャーロットちゃんを!」
「そうだった!」
サテラの一言でパニックから抜け出した聖也達は、シャーロットの方を改めて見ると。
『フッ・・・・』
まるで糸が切れた人形のように力なく地面に倒れた。
「「「シャーーーロッッッット(ちゃーーーん)ーーーーーー‼‼」」」
聖也、サテラ、ネルの声は学園によく響いたのだった。
「んっ・・・ん・・・・」
シャーロットが目を覚ますとそこは見慣れない天井だった。
「おっ目が覚めたか」
イスに座ってシャーロットが起きるのをずっと待っていた聖也は胸に手を当ててホッとした。
「なんで私・・・・あっ!思い出した!誰かがいきなり飛びついてきてそのまま抱きしめられたままで私・・・・」
「いやーお前が息してなくて地面に倒れた時はどうなるかと思ったぞ、ったくネルの奴後で何か仕返ししてやる・・・」
「聖也あんたね・・・・」
「ん?」
「元はあんたが私を身代わりなんかにするから悪いんでしょうが!」
怒っていた、とても怒っていた。聖也は今までに見たことのないシャーロットの怒気を見た。
「それはあれだ・・・・俺はもしかしたら反撃してしまいネルを病院送りにしてしまうから代わりにお前が・・・・」
「だったら避ければよかったでしょう!」
「・・・・そうだな」
あまりの気迫に聖也は押し負けた。
「私死にそうになったんだからね!一瞬だったけどなくなったおばあ様が見えたんだから!」
「悪かった悪かった、今回に関しては俺が悪かった。だから俺が責任もってお前の看病してんだろうが」
「そんなことしても責任は取ってもらうわよ!」
「そうだな、お前を人工呼吸でよみがえらせてそれからお姫様抱っこで保健室のベットに運んでそれからずっと付きっ切りだったんだが、やっぱりまだ責任はあるか」
「はい?」
素っ頓狂な声を出したシャーロットは自分の聞き間違えだと思いもう一度聞いた。
「私が倒れた後なんだって?」
「あ?だから人口呼吸でよみがえらせてお姫様抱っこで保健室のベットまで運んでそれから付きっ切りだって」
「・・・・もちろん人工呼吸はサテラかエミリーよね?」
「いいや俺だ」
「お姫様抱っこも・・・」
「俺だ」
「・・・・・・・」
シャーロットはすぐに布団の中に勢いよく潜った。
「おわっ!なんだいきなり」
「なななな何でもないは‼」
「そうか?」
「そそそそうよ」
「でも顔が真っ赤だったぞ、どうした?」
「こっこれはいいの!ほっといて!」
「そんなわけにはいかない、これはれの責任だ責任は最後まで取るだから見せろ」
「いつも私を無視してるくせにこんな時だけ無視してくれないなんて!」
「何言ってんだ、早く布団から出ろってっ!」
強引に聖也は布団を取り上げた。そこには顔を真っ赤にしながらワナワナと震えているシャーロトがいた。
「あ・・・あ・・・」
「顔がさっきよりも真っ赤だぞ、お前熱でもあるんじゃないか?」
そう言って聖也は手をシャーロットのおでこに当てた。その瞬間シャーロットの心の奥底で止められていた何かが外れた。
「いやああああぁぁぁああああーーーーーー‼‼‼‼」
「ごふっ‼」
無意識だったあまりの恥ずかしさに耐え切れずに、聖也を離そうと考えているうちにシャーロットは無詠唱で魔法を唱えて、聖也に不意打ちの一撃を放ってしまった。
聖也は保健室の壁を突き破ってがれきの下敷きなった。それを見たシャーロットは自分は何もしていないと心の中で言いながら、もう一度布団の中に潜るのだった。
この後聖也は無事無傷で瓦礫から出てきたが、校長室に呼び出され壁の弁償代を払わされたのだった。




