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底辺種族の逆転  作者: ナオフミ
三章黒鉄聖也暗殺編
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再会

 

 黒鉄聖也の日常は変わった。何が変わったかというと全てだ。

 朝今までは太陽の光と鳥の鳴き声で起きていた聖也だが、今は周りにいる者たちに抱き枕のようにギュッとされているため、暑すぎて起きてしまうのだ。

 聖也の抱き枕にしている者は、奥さんとなったシャーロット、サテラ、配下?下部?的な存在になったエミリー、そして娘の幸雨だ。今まで一人で暮らしていた聖也の住まいはかなり狭く感じるようになった。


「暑いし狭い・・・」


 あまりの寝苦しさに目を覚まして、聖也は抱かれて動けない原因となっている者を無理矢理振りほどいて、全員を起こし訓練に出かける。


「主人との訓練楽しみ」

「何言ってんのよエミリー、聖也との訓練に楽しさなんてみじんもないんだからね」

「なんで?」

「それはですね、私たちと黒鉄君とではレベルの差があって一方的に私たちが黒鉄君に合わせるように頑張る必要があるからなんですよ」

「それに聖也は自分も上げつつ、私たちのレベルも上げようとしてるから、その訓練がきついったら・・・・・」

「・・・つまり、シャーロットとサテラは主人の役に立たないという事」


 シャーロットとサテラがその場で固まる、エミリーの言っていることはまさにその通りで二人も気づいていたが気にしないようにしていたが、改めて自分たち以外から言われるととても痛い。しかし言われて黙るほど二人は弱くはない。


「・・・確かにそうだけど、私はちゃんと聖也の対魔法戦としてちゃんと活躍してるもん」

「私だって黒鉄君の防御力アップに活躍しています」

「・・・だけどそれはあくまでも守りの練習、主人の攻撃の練習は?」

「うっ・・・・」

「そっそれは・・・・」


 何やら三人が話し合っているのに気づいている聖也だったが、三人が仲良くなるために話しているのだと思い込み無視をするのであった。


 その後も三人はずっと話していたが目的の場所についた。


「よし、それじゃあ走るぞお前ら」

「見てなさい、私だって聖也の役に立ってるってとこ見せてあげる!」

「私だって負けません」

「主人の一番は私のです」

「何ごたごた言ってんだ早く走れ」


 その後の三人の頑張りはかなりのものだった、聖也の走るスピードに合わせて走りその後の座禅も

 みんなそれぞれが限界だった蝋燭の数を越した。エミリーだけは初めての座禅で苦戦していたがすぐにコツをつかみ、シャーロットの一歩手前までの個数を難なくこなしていた。



「さてとウォーミングアップも済んだところだし、組手と行くか」


 この言葉を聞いた瞬間、シャーロット、サテラ、エミリーの目が一瞬光ったような気がした。


「今回の組み手はそうだな、人数も多いことだから全員参加でどうだ」

「私はいいわよ」

「私もです」

「主人の決定に従う」

「おっおう」


 三人の後ろかなそこにはない炎が見えて、聖也はついつい少し驚いてしまった。


「それじゃあ、よーい」

「我サテラが命ずる、夜鳥の魂を我に、『フクロウソウル』!」

「我シャーロットが命ずる、相手を惑わすスピードを、『神威』!」

「・・・・」


 聖也が声を出すとみんな戦闘態勢に切り替わる、サテラはいつもの魔法で自分の姿を隠し、シャーロットは自分の素早さを高め、エミリーは背中にしょっている大剣を両手に握り目の前に構えた。


「始め!っておい!」


 聖也が始めと言ったとたんエミリーとシャーロットが同時に聖也に向かって攻撃を仕掛けてきた。


「レオベルト流剣術『剛断』!」

「我シャーロットが命ずる、我が炎で焼き貫け、『フレイムランス』!」

「っ!」


 目の前に来る攻撃を聖也は頭で考えるよりも先に体が動いた。

 まずエミリーが放つ『剛断』を体半身ずらすだけで回避して、飛んでくる炎の槍『フレイムランス』合計五本を圧縮で作った壁で防ぐ。そして半身で『剛断』を避けられて重心が前に倒れたエミリーをそのまま前に投げ飛ばし、『フレイムランス』を防がれて再び魔法を唱えようとしているシャロットのところに人蹴りで距離をつぶして、腕を掴んで地面に叩きつけた。

 これにより、エミリーとシャーロットはほんのわずかだが組手に戻れない、聖也の勝ちだと思われたが、シャーロットを地面に叩きつけ態勢が不十分なこの時を狙って後ろから、いままで身を潜めて攻撃のチャンスを窺ってきたサテラが聖也の死角から手に持つナイフで急所である頸動脈を狙う。

 ナイフは水が流れるように聖也の頸動脈に近づいていきナイフが触れる寸前、聖也はナイフと同じ方向に体を転がし間一髪で避けてナイフが避けられた、サテラは再び攻撃のチャンスを窺おうとしたとき、転がって避けた聖也は迷わずにさっき攻撃を仕掛けられた場所に一歩で近づいて見えないはずのサテラの腕を掴みシャーロット動揺地面に叩きつけられた。


「ふぅ、今日はここまで。家に帰るぞ」

「いつつっ、ちょっと待ってよ聖也!」

「いててっ、待ってください黒鉄君・・・」

「どうしたんだ?いっておくがこれ以上はやらないからな」

「なっ、どうしてよ!まだ時間あるでしょう!」

「黙れこっちは家に帰って朝食を作るという仕事があるんだよ。人数が増えたから量も手間も今までの比じゃないんだぞ。もしくはお前が作るか?」

「うっ・・・料理は・・・・」

「できないんだったら帰るぞ」


 何も言い返す言葉がなくなったシャーロットは聖也に従って家の方向に歩き始めた、それを見てサテラも同じ言葉が帰ってきたら自分も何も言い返せなくなるのでシャーロットに続いた。エミリーに関しては聖也の言葉には絶対に従うので何も言わず歩き始めた、だがその顔はなにか納得がいっていなかった。その顔に気づき聖也はエミリーに声をかけた」


「どうしたんだエミリー」

「っ!いえ・・・その・・・・」

「なんだ?言いたいことがあるなら言え、これは俺からの命令だ」

「・・・はい、では失礼ながら組手が始まったと同時にいきなりの攻撃に主人は驚いてましたよね」

「ああ」

「人は何かに驚くとすぐには攻撃ができなくなるものです、なのにどうして主人は私の『剛断』を避けてシャーロットの『フレイムランス』を防ぎ、しかもその後に攻撃ができたのですか」

「そうだな、確かに驚いたがそれは俺がイメージしていたものに違いはない」

「イメージ?」


 エミリーは首をかしげる、横で聞いていたシャーロットとサテラも首をかしげる。


「叩く前に相手がどんな行動をするか予測するんだ、そしてその時の自分の対処も考える。今回驚いたのは単に俺が一番イメージとして現実で起きる確率が低いと思ってたことが起こったからだ」

「「「・・・・」」」



 三人は黙った、今聖也が当たり前のように口にしたことがどれほどの事なのかがわかる。もちろん三人だってある程度のイメージはしていたつもりだが、そんなのはせいぜい五個程度。しかし聖也に関しては考えられるすべてのパターンを予測してそれにどう対処するかも考え、普通の人ならば考えられないことだ。


「・・・・私の質問に答えていただきありがとうございます」

「なに別いい、あっあとエミリー」

「はい何でしょう」

「お前の剣筋はとてもよかったぞ、だが少し重心が右に偏りが見えたから今後は意識してそこを改善するともっよくなる」

「はい!ありがたきお言葉」

「次にシャーロット」

「えっわっ私!?」


 いきなり自分に振られてシャーロットは目を白黒とする。


「お前は魔法の威力に関して言えばかなりのもんだが、魔法を唱える速度が遅いだから俺みたいな魔法が得意ではない奴が相手の時、次の魔法を唱えてるときに攻撃を受ける。明日からの訓練ではお前は座禅で魔力量の増量より詠唱のスピードアップだな」

「・・・・」

「わかったな」

「えっ・・・ええわかったわ」

「最後にサテラ」

「はいぃ」

「お前に関してはもう少し頭を使え、正直に相手の死角から急所ばかり狙わなくてもいい。正直に言ってお前の考えられていることは読まれやすいから気をつけろ」

「わかりました、でも黒鉄君どうして最後に見えない私の腕を掴むことがでいたんですか?」

「んん?それはな、お前はまだ攻撃した後の戻りが遅い、だから攻撃してきた位置からあんまり離れてないと思って、後は簡単だお前が攻撃してきた場所まで行ってお前が取りそうな行動を予測してとらえるただそれだけだ」

「・・・黒鉄君は凄いですね」

「何も凄いことはしてない、ただ予測して行動してるそれだけだ」

「それだけって、あんた本当にヒューマン?」

「さて早く帰って朝食にするぞ」

「無視すんなー!」


 家に帰って聖也はまっすぐキッチンに向かって、その他は一人一人交代しながらシャワーを浴びて、浴び終わったら席について朝食が出来上がるのを待つ。

 そしていいにおいを漂わせて朝食が出来上がると、みんな手を合わせて食材に感謝をして一斉に食べ始める。すると物の数分で朝食がなくなる。

 人数が増えてからというもの、食材の量や料理の手間などが一段と増えて食費も高額になってきていた。

 朝食を食べ終わると各自制服に着替えて全員で登校する。ここまででまだ朝の段階最近聖也は疲れがどのようなものなのかが分かった気がした。


 家を出で学園の校門前まで来て聖也はもの凄く嫌そうな顔をした。


「どうしたのよ聖也、学園が始まる前からそんな顔して」

「いや・・・まだ奴隷制度の仕事が残っていると思っただけで・・・・」

「絶対に逃がさないんだからね、私たちだけにやらせるなんて巻き込んだのはあんたなんだから責任を持ちなさい」

「はぁ~わかっ・・ん?」

「どうしたの?」

「・・・いや、それよりシャーロット」

「なによ」

「もうちょっとこっちによってくれ」

「はぁ!あんた何言って、学園の中なんだからそういうことは他の場所で」

「いいから」


 聖也は強引にシャーロットの方を掴んで自分の方に寄せた。するとシャーロットは顔を真っ赤にさせて口をパクパクとさせている。しかしこれは別に聖也がイチャつきたいのではなく聖也が遠くから感じた『なにか』への対処だった」


「ちょ!せっ聖也!ああああんた何いきなり・・・」

「・・・・・・や~」

「ん?今何か聞こえたような」

「・・・・せいや~」

「えっ、だれか聖也のことを読んでる?」



 どこからか聞こえる声にシャーロットはさらに耳を済ませると。


『ドドドドドドドドド‼‼‼』



 こちらに向かってもの凄い速さで近づいてくる音が聞こえた。後ろを振り返ると遠くからこっちに手を振ってもの凄い煙を上げながら近づいてくる人影があった。


「・・せいや~!」

「ひっ!何なのよ!」

「聖也~‼」


 するとその人影はどんどんどんどん近づいてきて、両腕を広げている。


「ちょ!聖也!あれ何よ!」

「・・・・わからん、だがシャーロット」

「なに!」

「すまん」


 そう言って聖也はシャーロットをこちらに向かってくる人影に向かって投げつけた。その人影は向かってくるシャーロットを見事両腕で抱きしめてそのまま地面を転がった。


「おうおう結構な衝撃だな、生きてるかシャーロット」

「んんんーんん、んー!」

「無事なようだな。さてと俺の名前を呼びながら近づいてくる変わった奴は!お前・・・」


 聖也は近づいてきた人物を見て驚いた。体の体格からして女性、そして身長は女子の中ではかなり大きい方だ、くびれがしっかりとついていて足がものすごく長い、何よりの特徴はそのライオンを思わせる金色の髪だ。聖也とは一度だけ体力テストの時だけ話したことがあるがそれからは全く話をしたことがない人物。


「いったた~、勢いつけすぎちゃった」

「ネルじゃねえーか!」

「はい?」




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